しょうちゃんの繰り言

草野章二のページ


4半世紀前、日本が右肩上がりのバブル景気に浮かれていた頃、旧テレ朝通りに「ドミナント(Sound Inn DOMINANT)」という生バンドでお客に歌わせる店が繁盛していた。オーナーでバンマスの山口勝利は70年代にダン池田とニューブリードのギタリストだったのだが、80年代初めにユニークな生オケバンドバー・ドミナントを開店した。

政治家から大会社の役員、経営者、大寺の僧正、大学教授、家庭の主婦、有名作詞作曲家、プロ歌手、ラグビー選手、プロサッカー選手、プロ野球選手まで、実に幅広いさまざまな分野の歌好き夜遊び人間が集まってきた。バンマスの顔の広さと人柄のよさで誰にとっても居心地のいい店なのである。しかも、ジャズから演歌までジャンルは問わない。どんな歌の伴奏でもしてしまう。カラオケなんて血の通わない機械で歌うのは面白くないという人間にはこたえられない。

毎夜、毎夜、常連客が集まってきて歌いだす。夜半過ぎ、銀座が引けるとお店のママやホステスたちがパトロンを連れてやってくる。そんなわけで、ドミナントは夜明けの4:30まで営業していた。

章ちゃん(草野章二)とは、この店で知り合ったジャズ好きの常連同士である。90年代の半ばころだったか、広尾高校の近くにあった我が家のすぐ近所に引越しをしてきて、よく家族で食事会をしたりして仲良くしていた。2000年春に六本木ヒルズ建設のためドミナントの入っていたビルは壊され、ドミナントは店を畳み、私自身の自宅も千代田区の実家に戻ってすっかり会うチャンスがなくなってしまった。

2011年3月に私が42年間教鞭をとった大学を70歳定年退職し、現役引退挨拶状を章ちゃんに送った。

「忘れてませんでしたね」と返信が来た。それには最近書き綴った3編の随筆・評論が添付してあった。面白い。章ちゃんの博識と的確な世相批判のバランスが面白く共感を覚える。内容は評論だが、よどまない文章が素晴らしい。文芸作品だ。その後、もう1編が届いた。昨日にももう1編送られてきた。

これは、私だけが読んで死蔵しておくのは勿体無い。より多くの頭のよい知識人に読んでもらいたい。

「俺のホームページで紹介しよう」と言ったら「お気に召すまま」と言ってきた。

老人の戯言とか繰り言とか自身は言っているが、これは大論文だ。(2012/8/27開設)

編集人わかじい


目  次

 
1.ただ(無料)のもの
2.組織論についての雑感
3.政治の役割
  4.天皇の執刀医 5.いじめ問題の根 6.毛の無い猿
  7.改革の意味するもの 8.どこの国とは言わないが 9.不条理の存在
  10.復興予算の行方 11.私達が受けた英語教育 12.80歳の決心

 

13.松下さんは(たらい)職人のことを考えたのかしら 14.極東(Far East)の国日本
  15.ゼロ・リスクの追求 16.厄介な生き物 17.ガリ版の教え
  18.指導者の資質 19.我が家の整理・整頓 20.ワン・アウト・チェンジ
  21.賢く見られるコツ 22.物(もの)の値段 23.誰が病気を治すのか
  24.後期高齢者の企み 25.付き纏うジレンマ 26.言の葉
  27.変った友人の入院騒動 28.判断力は何処から 29.曲(うた)への思い入れ
  30.存在感のある人  31.人の悪口 32.絆(きずな)
  33.人の評価 34.様々な嘘  35.生業なりわい
  36.見えざる差別 37.真・善・美 38.科学する
  39.教 育 40.女性の人権 41.トップの責任
  42.挑戦の壁 43.ゴルフの真髄 44.幼い日の判断
  45.説得力 46.揺れる政権 47.そして大人が居なくなった
  48.友のあいさつ 49.8月9日 50.8月9日以降(後で知ったこと)
  51.幼き日の想い出(小学生の頃) 52.民主主義の申し子 53.原爆と原発 
  54.二進法の世界 55.知れたお里 56.納得の仕方
  57.出来ない理由 58.適者生存の理(ことわり) 59.梅屋庄吉から学ぶもの
  60.約束事の背景(学ぶことの意味) 61.読書とは 62.無関心の背景
  63.子供の喧嘩 64.物差しの尺度 65.自分探しの旅
  66.思考の範囲 67.大人の気遣い 68.原子力発電への意見
  69.集団的自衛権について 70.情操について 71.平和国家
  72.人の行動半径  73.理屈に合わぬこと 74.自信の背景
  75.求めるもの 76.権威の背景 77.判断の拠り所
  78.しがらみ 79.笑いの陰に 80.守るも攻めるも
  81.脳の働き(素人の妄想) 82.テレビ番組の討論(高齢者と若者) 83.貧富の差
  84.共産主義? 85.すべて世は事もなし 86.独占の弊害
  87.オフレコ(品の無い話)  88.時の流れ(そして残るもの)  89.自己責任
  90.年相応 91.物語の背景 92.認識の違い(東は東、西は西)
   93.楽しむための作法(伝統芸能の教えるもの) 94.自分の言葉で
  95.ものが違う  96.何故やらないの? 97.上等舶来
  98.友人の経済学 99.男の価値 100.あなたの孤独な赤
  101.予期せぬ出来事(人も歩けば) 102.勘違いした人達(テレビ大国日本)
  103.建築家の選択と役人の辻褄合わせ 104.会社は誰の物
  105.相手の立場で 106.謝罪と時効  107.正論(?)での主張
  108.それを言っちゃお終いよ!  
   
番外編
 
  @ 友からの手紙 A それぞれの人生(リーダーの選択肢)
  B 難しい日本語 C 英国人の疑問 D ジジ・ババからの贈り物
  E レディと花売り娘 F 慰安婦問題について G 人の判断
  H 経済格差が拡がる訳(Working Poor) I 被害者意識
  J テレビ・キャスターの身体検査 K ルールに従ってますので L 弁解の限度
  M 社会の仕組み N 知名人 O 見る人が見れば
  P 責任者のやるべきこと Q 靖国の子 R 引越の日

S あざとい企て(決定事項の扱いについて) 21 政治家なら
  22 家内(妻)の疑問     

 

訃 報

5月10日朝、草野章二は逝去致しました。

2月末にメールが来たのが最後ですが「体調悪くこのところ腹痛が止まりません」と書いてきました。その後、連絡がなく心配していたところです。

昭和15年10月生まれの76歳でした。

(2017/5/10)



出版断念のお知らせ
何の当ても無く書いた拙文が、思いがけない展開から「ミネルヴァのフクロウ」という題で長崎新聞社より出版されましたが、その陰には皆様の多大な協力がありました。
その後も若山教授のホーム・ページに新しい拙文を書き続け、今日現在108編プラス番外として4編発表しております。書いた量だけを見ますと優に後3冊分はあり、中には強く出版を勧めて下さる方も多数いらっしゃいます。
ただ、素人の書いたものは全て自費出版となり、私の現在の経済状況では取り止めた方が無難だとの結論に至りました。
知らせしました様に出版するつもりで可能性を探りましたが、皆様の善意や好意を前提にして計画を実行することに、どうしても躊躇を憶え潔良く撤退することにしました。
ロト6でも当たれば自費で出版し、その時はお世話になった皆様に贈呈致します。
お騒がせして、誠に済みませんでした。
平成27年10月12日
草野章二



 

新小説脱稿


2013年が明けた。章ちゃんは暫く静かにしていると思ったら長編小説を書いていたようだ。
ついに章ちゃんは小説家になってしまった。ペンネームは紺野修二だという。今回はわざわざ縦書きの書式で書いてきた。縦のものを横にするのは忍びない。pdfファイルにしてある。(2013/1/9)
いろいろと手を入れたいと言ってきました。暫く、はずして置きます。また、形をかえて公開することも考えたいそうです。(1/11)
第3部を執筆しています。全部揃ったところで公開することにします。(2013/9/4)

第3部が送られてきました。やっと公開です。著者からの希望で「これは成人向きです」とのこと。(2014/2/21)

成人の方のみ ⇒ 紺野 修の小説 3部作

を掲載したのですが、どうもこの作品に対する女性軍からの風当たりが強いらしい。
それは、女性とはそういう動物なのです。そこで、章ちゃんは別の小説を書きました。それが、「芙美子と留吉」です。(2014/10/27)
「三部作を解禁せよ」と言って来ました。開き直ってのことらしいです。本人は至って真剣に「これは純文学だ」と言っています。(2015/11/4)
草野章二著 「芙美子と留吉」 

暫く静かにしていると思ったら、また「純文学」を書いていたようです。(2016/2/12)
50ページほど「続き」原稿が送られてきました。「出来たところまで送ります」というのは、まだ続きがあるということです。(2016/3/19)
紺野 修著 脇 道 完成!
若山教授

書き終えました。
細部に手を入れた箇所がありますので、
面倒でなければ掲載は全編新規でお
願い出来ませんか。

立川に住む、何時でも立つ歳(辰年)の男
草野章二 (2016/4/21)

 

しょうちゃんが「これで一区切り」と言ってきた。丁度、1年になる。毎週1編書き続けた。凄いエネルギーだ。一休みしたら、また書きたいことが溜まってくるに決まっている。「教授、また書きました。お眼鏡に叶ったら掲載してください」ってね。
「一区切り」と言えば、本ページの掲載・管理をしているしょうちゃんと同世代のジャズキチ教授が10数年間続けてきたジャズコーラスの大コンサートを6月に開催し、「これで一区切りが出来た」と皆さんには言っている。9月に予定されているサントリーホールでのコンサート”Keep Shining 6”のお手伝いが終わったら、本当に一区切りとなる。

しかし、こちらの爺さんのホームページ「ジャズにまつわる話」は死ぬまで続く。今年になってからだけでも32ページが増えている。じじいとは、よく書く動物なり。(2013/8/16)

しょうちゃんから「書き残したことがあった」と原稿を送ってきた。長崎での原爆体験記だ。昭和20年はわれわれは4,5歳の時である。昔の子供はそんな頃の記憶もはっきりとしている。(2013/8/26)

章ちゃんの家に久しぶりに出かけた。10年振りくらいになる。目と鼻のところまで行って迷子になりそうになった。でも、ちゃんと待っていてくれた。「書き足りないことがあったら、理屈をつけて書けばいいよ」と言っておいた。

早速、Afterthoughtsが送られてきた。これで、全50編のエッセイ集となり区切りとしては申し分ない。(2013/9/17)

現在、章ちゃんのエッセイは出身地の新聞社から出版したらと言う話が持ち上がっている。そこで、出身地の思い出を書き足してほしいとのリクエストもある。契約の段階までまだきてはいませんが嬉しい話です。(2013/10/20)

 


出版話が本当の話になりました。長崎新聞社から2014年5月頃に出版されるという知らせです。これまで60編のエッセーがありますが、そこから26編がピックアップされました。

時評的エッセー集「ミネルヴァのフクロウ」
草野章二著(長崎新聞出版局)

(I)   「原爆があった」
   1.8月9日
   2.8月9日以降
   3.幼き日の想い出
   4.曲(うた)への思い
   5.ガリ版の教え
(II)  「口の悪い友人」
   6.友のあいさつ
   7.後期高齢者の企み
   8.変わった友人の入院騒動
   9.誰が病気を治すのか
   10.トップの責任
   11.挑戦の壁
   12.絆(きずな)
   13.出来ない理由
(III)  「古稀の一徹」
   14.そして大人が居なくなった
   15.物の値段
   16.厄介な生き物
   17.ゴルフの真髄
   18.判断力は何処から
   19.人の評価
   20.不条理の存在
(IV)  「ミネルバのフクロウ」
   21.毛の無い猿
   22.適者生存の理(ことわり)
   23.極東(Far East)の国日本
   24.二進法の世界
   25.約束事の背景
(V)   「中国と日本人」
   26.梅屋庄吉から学ぶもの


1部 1,500円 希望者は ⇒ 長崎新聞出版社


2015年になった。時の流れは早い。

 「次の一冊出版しろという人がいる」

といってきた。自主出版というのは儲からないことに相場が決まっている。

 「章ちゃん、持ち出しだろ?」

 「教授、そうなんですよ」

 「ちゃんと一冊上梓したのだから出すこたない。ちゃんとインターネットで見られるじゃねぇか。もうチョットで100編になるぞ、頑張れ!」

ということで、渋谷の老人のピッチが上がってきた。麹町の老人は毎日でも対応してやる。とりあえずの目標は100編だ!!(2015/1/22)


章ちゃんからのメールだ。その最後に、

前回で108編、煩悩の数だけ書きましたのでこれで「私の繰り言」は一応終わらせて頂き、今回もし載せて頂ければ番外編として取り上げて下さい。

とある。

また、書きたいことが湧いて出てくるに違いない。いつでも何か理由をこじつけて掲載する。

みなさん、しばらくお休みということらしいです。(2015/9/13)


章ちゃんにお休みは無し!(2015/9/19)


若山教授

新しいのを書きました。
お眼鏡に叶ったら、番外編に追加お願いします。

女に興味を失くしつつある
立川のうるさい老人
草野章二 (2016/10/4)


若山教授

ことが思っていたように進まず、精神的に落ち込んで
いました。体調も悪く、このところ腹痛が止まりません。

多分これが最後になるかと思いますが、一応書きました。
お眼鏡に叶ったら掲載お願いします。

草野章二 (2017/2/26)