ジャズと歴史にまつわる話 |
A Great Day In Harlem |
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1958年8月12日にArt Kaneがハーレムで撮影した有名なジャズミュージシャンの集合写真がある。彼はEsquire誌に雇われて初の仕事がこの写真の撮影だった。この写真が「The Esquire Magazine, January 1959」に掲載されて有名な写真となった。 お馴染みの名前も大勢いるが初めてお目にかかる人もいる。 Art Kane(1925-1995) と Esquire
Magazine
2004年のスピルバーグの映画「The Terminal」では、この写真をストーリーの題材としている。たまたま、ベースの大原潤さんが貸してくれたDVDを見て驚いた。映画の中でこの写真が出てきたのだ。そこで改めてこのページを書いている。 最前列に子供たちが座っている。ミュージシャンたちの子供である。 映画の話は ⇒ こちらにある。 ■ ■ ■ ■ ■ |
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集合写真には57人のミュージシャンが写っているのだが、実は58人目がいたのだ。それはWillie "The Lion" Smithなのだが、Esquireに掲載された以外に沢山の写真やシネがあるのだが、そこにはライオンの姿が見られる。 ところが件の写真撮る頃には、立ちん坊で疲れてしまい、はじめはLucky RobertsとMaxine Sullivanの間にいたのに抜け出して休憩を決め込んでしまったのだ。 集合写真の場所の左側に階段がありここで休んでいたというわけ。それにArt Kaneは気がつかなかったらしい。 カウント・ベイシーはやはり立っているのが辛くて歩道に子供たちと一緒に座っている。 この写真を巡っていろいろなミュージシャンが放送や雑誌などからインタビューを何度も受けたということだ。 |
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「Bill Crumpって誰だ?」ということで、知っている者がいないとか、いろいろミステリーじみた話がある。撮影に間に合わなかった者もいたという。話のタネは尽きない。 実際、写真を撮るためにミュージシャンに伝えられた時間は午前10時だった。夜更けまで仕事をするミュージシャンには早すぎる時間である。そりゃ遅刻するする奴がいるに決まっている。 さて、こうして見ると58人いることになる。↓ |
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Late Comers
ガレスピーはカメラを首からぶら下げて写真を撮っていた。その1枚に遅刻して撮影に間に合わなかった3人が写っている。Ronny Free(dr), Mose Allison(pf,vo), Charlie Rouse(ts)である。 (2020/8/12 追加) |
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A Great Day in Harlem,1996 |
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Marian McPartlandはFacebookのメンバーで、今年の3月に自分のWallにLifeの写真を出している。Marianは今年94歳になった。J友の留里子さんが見つけてshareしてくれたので、こんな写真があることを知った。 この写真が撮影された時点での生存者は12名いる。ここに写っていないのは、Sonny Rollins(日本にツアー中)と入院中だったErnie Wilkinsである。 2012年12月現在、存命中のミュージシャンは、Benny Golson(83),Marian McPartland(94),Sonny Rollins(82),Horace Silver(84)の4名である。(2012/12/20現在)
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■ ■ ■ ■ ■ Marian McPartlandが2013年8月20日にPort Washington, NYの自宅で眠るように亡くなった。95歳だった。(2013/8/21) Horace Silverの訃報の誤報が2013年暮に伝えられたことがあった。しかし、2014年6月18日に85歳で亡くなった。(2014/6/20) Benny Golsonが2024年9月21日にManhattanの自宅で亡くなった。死因は報じられていない。昭和4年生まれの95歳だった。 Sonny Rollinsが唯一の生存者となった。(2024/9/23) |
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THE GIRLS IN THE BAND 2008
https://thegirlsintheband.com/gallery/ A Great Day in Harlem撮影50周年記念に企画されたらしい。 大勢写っています。真ん中にふんぞり返っているのはBilly Taylor、その隣がマリアン・マクパートランド、彼女の後ろに秋吉敏子。 後は誰も知らない。この60年間に撮影された3枚のHarlem Photoすべてに登場するのは、マリアン只一人である。(2020/1)
(2020/1/14) ■ ■ ■ ■ ■ 60周年記念出版 「Art Kane:Harlem 1958」 2018年1月出版 ⇒ その紹介記事 ■ ■ ■ ■ ■ 同じ場所 2020 (Google Street View) 8月12日はHarlem Photoの撮影記念日だ。Daily Mail Online Newsが2年前の2018年に60年記念に出版された「Art Kaneの写真集」の紹介していた。そこで、わがページでも追記となった。
これは、Google Street Viewで見た写真です。まだ、残っていました。便利な世の中です。 ところが、この日、アート・ケインはおびただしい枚数の写真を撮影しているのだが、別のビルの階段でも撮っていることに気が付きました。そんな写真をお見せしちゃおうか・・・。
隣の入り口との間の窓が2つあります。上のと見較べてください。これは並びのアパートだったのです。ほらね。下が現在の写真ですが13番地です。
そうでなければ、向かい側の20番地辺りでしょうか。
窓枠の切れ方をよく見ると下の建物らしいです。 いや、違うかも。 Jazz集合写真 その2 アメリカでも「ジャズは死んだ」なんて言われる。そんな話をぶっ飛ばそうとして、2007年にイベントがDr. Billy Taylorの呼びかけでKennedy Centerで開催され、コンサートも行われたということである。 ⇒ こちらにあります (2020/8/12) Jazz集合写真 その3 A Great Day in San Diego 2000年に撮影されたHarlem Photoの真似事がありました。今日、見つけました。 ⇒ こちらにあります (2020/8/19) |