ジャズと小噺 Jazz and Topics |
(42) 鍵盤の魔術師と鍵盤の皇帝 | |
というクイズをFacebookに出してやったことがある。沢山のジャズキチが答えを書き込んで大騒ぎになった。 |
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Kunihiko Sugano(1936- ) |
最初に答えを書いてきたのは、ピアノの本田富士旺で、
私のコメントは「菅野さんは天才じゃないか?」 菅野さんは、古いミュージシャンには「スガチン」と呼ばれる天才ジャズピアニストだ。昔のミスティが出来る時のハウスピアニストだった。1970年頃だったか。現在も80歳を越したのにライブハウスに出演し、若ーい歌手の伴奏なんてしている。われわれ爺はもったいないと思うのみ。 |
次にオージーサンズのきよGが、
と来た。この人の知識は半端ではない。リストは「ピアノの魔術師」と呼ばれた。間違いではない。オスカー・ピーターソンは「鍵盤の皇帝」で正解だ。おまけに弾き語りの乾信夫の「マジックピアノ」まで書いてきた。60年代終わりのラジオ東京深夜ラジオ、銀座の銀巴里にも出ていた有名人だ。よくこんな名前を思い出す。 その次に大場ちゃんが、
オスカーさんは当たり、Art Tatumの名前が出て来たのにも感心してしまった。賞品をあげたくなるではありませんか。 ヒッキーさんも、
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さて、出題者の期待した正解を申します。
という事になっています。オスカーはDuke Ellingtonに「鍵盤の皇帝(Mahraja of the Keyboard)」と呼ばれました。
ホロビッツがアート・テイタムの演奏を聴いてぶったまげて、その翌日、義父である大指揮者トスカニーニ(Arturo Toscanini)を連れて行き聴かせたら、トスカニーニは肝をつぶしてしまった。痛快なエピソードだ。
カウント・ベイシーはアート・テイタムを「世界の7不思議」の次「世界の8不思議」と評した。ファッツ・ワラーは「神」だと言っている。そんなテイタムは先天的な白内障で片目は全盲、もう片方も殆ど見えなかったという。
(2017/5/25) |