ジャズと雑学

(14) ブレスは斯くあるべし

唄うことにとってブレスは命の泉です。ブレスをしないと死んでしまいます。素人は大体がめちゃめちゃなブレスをしてしまいます。ひとつのフレーズは一息で唄うことを考えることが原則です。フレーズの途中で息が続かなくなっても、絶対に息継ぎをしてはいけません。歌がずたずたになってしまいます。

通常、スローなら2小節ごとに、4ビートなら4小節ごとにブレスをとることを原則としておけばうまくいきます。

正しいブレスをするためにもっとも大切なのはつま先に体重をかけた姿勢です。かかとに体重がかかってはいけません。踵に体重がかかると、下腹で声を支えることが出来なくなりますし,背中に息をためることが出来なくなります。


Joe Williams (1918-1999)

みなさんはどこでブレスをしていますか?歌は腹式呼吸だから、腹でするものと思いますか?

かつてジョー・ウィリアムスが来日したとき「足の裏で大地を掴み、足元の大地から空気を吸い上げるのだ」ということを沢田靖司に教えました。「邦ちゃん、おれジョーからすげえ話を聞いちゃったよ」と、沢田靖司がその話をしてくれました。大地からエネルギーをたっぷりと吸い上げるというのです。そうすることによって空気は背中に溜まってくるのです。

こうなるとブレスは足の裏からということになります。意識の問題です。分かってもらえるといいのですが。

難しい話ですが、こんなブレスをしてみようと思って練習してみませんか。まずは姿勢です。下の写真を見てください。

正にジョー・ウィリアムスがこの姿勢で大地から空気を吸い上げ、”Here's To Life”の一番のピークの部分を歌っているところです。

Joe Williamsが自分のSignature Songとして1984年から亡くなる2週間前までの15年間歌い続けた歌が”Here's To Life”です。この話は感動的な話です。興味のある方は、 ⇒ こちらへ


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