オーストリアスキー教程


深雪にスプールをつけることがスキーの醍醐味だといえる

誰もがこういう写真を撮りたいと思うものです

如何でしたか。これが最初に出された「オーストリア・スキー教程」である。われわれが60年代初頭に教わったオーストリア・スキーでは、基本は変わっていないが少しずつ指導法が変わってきている。より分かりやすくなっているように感じる。実際、「オーストリア・スキー教程」と銘打ったスキー指導書は、その後に次々と改訂版が出版されている。

1970年前後にがらりと内容が変わってしまった。ベーレンと呼ばれるこぶ斜面を滑る技術が紹介されている。90年代には、クルッケンハウザーの女婿で国立スキー学校の教授となったホッピヒラーが新教程を書いている。

日本のスキー界も「日本スキー教程」を編纂出版した。掲載する写真を蔵王で撮影することになった。当時の日本のデモンストレーターが勢ぞろいした。われわれも雪踏みを手伝わされた。そのときに一番親切にしてくれたのが浦佐の平沢文雄だった。

幻の第1回デモ選とよばれる選考があったのだが、第一位は岸英三、第2位が平沢文雄だった。というわけで、この撮影会の指導と世話を岸英三がすることになり、撮影地は蔵王になったというわけである。それで「面白いから見に来い」と言われて学校が始まっている4月の半ばに蔵王に出かけたことがある。「日本スキー教程」にかかわる懐かしい話である。(2012/3/12)


                                        

 

 

⇒ フランス・スキー術