SUEのエッセー

ハノイ音楽便り

 


かっぱさん、末続@ハノイです。ご無沙汰しました。

しばらくぶりの「ハノイ音楽便り」です。

さて、一昨日の土曜日に、メンデルスゾーンの「ヴァイオリン協奏曲」と、ドヴォルザークの「交響曲7番」をワイフと一緒に聴きに行きました。

会場はいつものオペラハウスではなく、Concert Hall of Vietnam National Academy of Music、「ベトナム国立音楽アカデミー(=1956年創立 日本でいえば芸大か?)のホール」でした。インターネット情報によれば、この音楽学校には40のコースが有って、1800名(中には日本人も居るらしい)の学生が学んでいるそうです。


Vietnam National Academy of Music

いつも聴きに行くオペラハウスは、素晴らしいホールですが、何分1911年に建築されたホールですから設備も古く、席も660しかありません。

それに比べて、このホールは近代的な新しいホールで、ステージもはるかに広く、サントリーのようにステージの後ろにも聴衆席があるホールです。響きも中々のものでした。(ちなみにチケット代は、S席が50万ドン(2500円)、A席が35万ドン(1800円)、B席が20万ドン(1000円)です。ハノイの高級日本料理屋で「上」の握りずしを食べると20から40万ドン位ですから、大体の感覚はお分かりいただけるでしょうか?)

メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲については、「メンデルスゾーンがモーツァルトの交響曲#40を聴いて涙を流して感動し、この協奏曲を書いた。」という逸話を聞いた事が有りますが、真偽のほどはよく分かりません。でもご存知のように、ベートーヴェンとブラームスの協奏曲と並んで、「三大ヴァイオリン協奏曲」と呼ばれる名曲ですよね。

ただ、「五大ヴァイオリン協奏曲」となると、これは好き好きなようで、四曲目のチャイコフスキー迄は固いようですが、五曲目には、ブルッフ、バッハ(1番、2番、3番―どれかと言えば、僕は2番が好き)、ハチャトリアン、シマノフスキー、シベリウス、ベルグ、パガニーニ、サンサーンス(3番)、ヴィヴァルディーの「四季」の「冬」、などなどを挙げる方々が居ます。僕個人としては、モーツアルトの3番を入れたいところですが、楽友会のみなさま方のお好みはどれでしょうか?

さて話を戻しますが、ソロ演奏は、Tran Le Quang Tienという13歳(まだ中学生)のヴェトナム人の男の子で、10歳の時にこの音楽院に特別入学を認められたとのことです。昨年には、タイの国際コンクールで第一位となっています。

オケは、いつもの、 Vietnam National Symphony Orchestra でした。

さて、かの有名なテーマ

が聴こえてきました。

13歳ですから、ミルシュテインや、ハイフェッツのLPや、(最近では)諏訪内晶子のCDと比べては可哀そうですが、まだまだ「荒削り」とはいえ、第一楽章のカデンツァも綺麗に弾いていましたし、まあまあの演奏を楽しめました。将来大人になって失恋でもすれば、良い演奏家になりそうだな、ベトナムにもこういう若い音楽家が育っているのだなあ、という印象でした。

ドボルザークの7番は、8番「イギリス」や9番「新世界より」と比べると、やや人気の低い曲ですが、まあ、その通りで、悪く言うと「油絵の具を、これでもかこれでもかと、塗りたくったような曲」で、あまり僕の好みではありません。3楽章のスケルッツオになったら、「早く終わらないかなあ」と思ってしまいましたが、これはベトナムシンフォニーの責任ではありません。楽友会の皆さまの中に、「俺は8番は好きだよ・・」と言われる方がおられましたら、何卒お許しください。

では又、ご報告します。(2015/7/6)

(追: 12月の19日に、オペラハウスで「第九」を唄う予定です。)


カッパさん、
末続@ハノイです。

また、ハノイ便りをお送りします。

ずっと多忙です?

ハノイは一年中で今が一番暑い季節です。
風が南から吹くので、中国のPM2.5による大気汚染の影響も少なく、温度が上がる事で空気中の湿度も下がるので、空もきれいに晴れます。
もう一寸我慢して8月になれば、少しは過ごしやすくなりますし、10月になれば、快適な季節になります。

お盆の時には休暇で帰りますが、MMCもお盆休みのようなので、楽友会の皆さまには、お目にかかれないかも知れません。

では。(2015/7/6・末続)


8ヶ月ぶりのハノイ便です。