先週、ハノイのオペラハウスで、「ベートーヴェンの夕べ」が有りました。
<オペラハウス夜景>
曲目は、ピアノ協奏曲#5 「皇帝」と、交響曲#6「田園」の二曲でした。
オケは、ヴェトナム国立シンフォニーオーケストラ(VNSO)、指揮は本名徹二、ピアノは、ドイツのハインリッヒ・アルパースと言うピアニストでした。
元の計画では、Kahchun Wongというシンガポールの指揮者が振る予定だったのですが、何故か「入国できなかった=もしかするとビザが取れなかった??」そうで、急遽、本名徹二の指揮(代振り)になりました。(元々のVNSOのプログラムでは、交響曲は#3「英雄」だったのに、当日には#6「田園」に代わっていました。これも指揮者の交替による変更だったのかも知れません。)
さて、「皇帝」は、僕が最も好きな協奏曲で、何時か数えてみたら、LPとDVDで7枚持っていました。皆様のお好みとは違うかもしれませんが、その内、
・ピアノの「格調の高さ」で言えば、バックハウスとクラウス
・ピアノの迫力で言えば、ホロヴィッツとライナー
・ピアノの美しさで言えば、ミケランジェリとジュリーニ
・オケで言えば、フィッシャーとフルトウェングラー
と言う所(以上はLP)ですが、
・ピアノのリリシズムで言えば、グールドとトロント(DVD)
も捨てられません。
さて、肝心の演奏ですが、上にあげた超一流の演奏と比べては気の毒なのですが、まあ、そこそこの演奏だったとおもいます。第一楽章はまずまずの滑り出しでしたが、第二楽章では、オケとピアノのやりとりに時に喰い違いが有り、(少なかったとは言え)残念なピアノの弾き間違いもありました。
「田園」の方は、いつものように本名のテンポが早すぎて、曲に優雅な流れが無く、少々ドタバタした感じが有ったのが残念でした。弦のテンポが甘く、「付点四分」なのか「三連符」なのかがあやふやだったり、低音弦の響きが悪いのと、管の音程が悪いのもいつもの事とは言え、やはり気になりました。もう一寸ゆったりした「田園」を聞きたかった、と言うのは、僕個人の趣味でしょうか。総論としては、長女がオーボエを吹いていた、中・高の女子高のオケのレベル+++と言ったら、ちょっと失礼かも知れません。
どちらにしても、急に「代振り」になったのが、出来の悪さの原因だった?のかも知れません。
ピアノのアンコールは、ブラームスの間奏曲からと、ショパンのワルツからの二曲でしたが、グールドのブラームスとリパッティーのショパンと比べてしまうのは、LP気違いの悪い癖です。
さて、折角ですから、僕のページにアクセスして下さった皆様に、オペラハウスの中を何枚かの写真でご案内致しましょう。
ご覧になってお分かりかと思いますが、ホールはこじんまりとしていて、楽友協会ホールやみなとみらいホールのように、高さと奥行きが長いホールです。ステージで歌ってみると音の残響が心地よく、大変唄いやすいホールでもあります。(データによると、長さが87m、最大幅が30m、高さが34mだそうです。)
客席は3層(3階)になっていて、2階と3階は、馬蹄形に「ぐるりと囲んでいる」形です。2階と3階には、(貴賓席用?の)2席づつのコンパートメント(ボックス)シートが用意されていて、いつもここのチケット(一枚35万ドン=¥1,750)を買って、ワイフと二人で、一寸した「貴族気分」を楽しむことにしています。
<二階席 三階席と、大シャンデリア>
<オーバル客席>
<二階のコンパートメントからステージを見る>
最後の、(余計な)写真は、ホール入り口の「大階段でのツー・ショット」で、以前何かの演奏会の時に、丁度通りかかった友人にシャッターを押してもらったものです。
<大階段で>
さて、僕のハノイ在住も(前の1年を加えると)5年を過ぎ、6年目に入りました。今月から新しいPJが始まりましたので、今年いっぱいは居ることになるでしょう。
もし「ハノイオペラハウスでVNSOを聴きたい」と言う方が居られれば、今の内です。
なお今年は、6月に「カルミナ・ブラーナ」を、11月に「パリの喜び」を演奏する予定です。
では。
(2017/3/29)
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