SUEのエッセー

ハノイの街角より

ベトナムの特産品


さて、ベトナム・ハノイの駐在も4年を過ぎて今年で5年目、前回(2009年)を加えるとすでに6年目に入りました。そろそろ「帰国も近いか?」、と、(本人は)思い始めているので、数々の「ベトナムの特産品」についてまとめてみる事にしました。

タイトルを「ベトナムのお土産」とすると、「末続がお土産を買ってくるらしいぞ」と思われると困るので、あえて「ベトナムの特産品」としています。

今までにも、この「SUEの・・・」シリーズの11回で「月餅」、14回で「イパネマのハンドバッグ」、17回で「香木とお線香」、21回で「コーヒー」、23回で「アオザイ」、25回で「Tシャツ」、27回で「名物料理」等々と、ベトナムの特産品をご紹介してきましたが、今回は、「ルビーとサファイア」と「ベトナム漆(うるし)」と「刺繍絵」と「ライム塩」と「ダラットワイン」と「きな粉菓子」と「バッチャン焼き」をご紹介いたします。 皆様、これらをお買い求めに、ぜひハノイまでいらっしゃいまし。

もし、「近々帰国」という事になれば、「SUEの・・・」も、今回が「最終回」になるでしょうか?

1月の新年会でお目にかかる頃には、もう少しはっきりしているかも知れません。
では。


ルビーとサファイア

古今東西、女性達を魅了して止まないルビーもサファイアも、その成分は酸化アルミニウム(工業的に言えばアルミナ、化学式はAl2O3)です。「アルミナは、石油精製や石油化学のプラントで、触媒に広く使われる物質です」と解説すると、「なーんだ、面白くも何ともないわねえ。」と、奥様方のご興味を「半減」する事になるでしょうか?

ところが、アルミナに不純物としてクロムが1%ほど混入すると、濃い赤色のルビーになり、鉄・チタンが混入すると青色のサファイアとなるのです。クロムが0.1%しか混ざっていない薄い赤色のものは「ピンクサファイア」と呼ばれています。

どちらも、ミャンマー、スリランカ、タイ、ベトナム、カンボジア、(その他、タンザニア、マダガスカル、モザンビークなどでも)と、産地がアジアに偏っていて欧米では採れません。それで、ここハノイでも、ルビーとサファイアが店頭に多く並ぶ事になります。

ただ、発色を良くするために加熱などの人工処理されることも多いので、注意が必要なのだそうです。(と言われても、何に注意したらよいのか? 分かりませんが。)

ルビーもサファイアも、成分中にルチルの針状結晶が混ざることによって反射光が星状に見えるものがあり、これらは「スタールビー」「スターサファイア」と呼ばれる貴重品です。写真をご覧になってください。ハノイでは、結構良質なものを入手できます。


<スターサファイア>


<スタールビー>

ちなみに、我が家の長女は7月生まれで、ルビーが誕生石、次女は9月生まれで、サファイアが誕生石。父親としては、結構大変でした。

ベトナム漆(うるし)

漆は英語で「JAPAN」と呼ばれている日本の代表的工芸品ですが、タイ、ミャンマー、ベトナムでも生産されています。元々、室町末期に来日したキリスト教の宣教師達が、日本の特産品であった漆器をジャパンと呼んだのが、いつしか国名として扱われるようになったといわれています。

主成分は漆樹によって異なり、主として日本・中国産漆樹はウルシオール (urushiol)、台湾・ベトナム産漆樹はラッコール (laccol)、タイやミャンマー産漆樹はチチオール (thitsiol) をそれぞれ主成分としていますが、化学的に言えば、空気中の水蒸気が持つ酸素を用い、生漆に含まれる酵素(ラッカーゼ)の触媒作用によって常温で重合する酵素酸化(水酸基部位による反応)、又は、(アルキル部位の架橋によって硬化した)自動酸化で、つまりは「自然界で重合により出来るラッカー=プラスティック」と言う事です。

硬化すると極めて丈夫なものになり、熱や湿気、酸、アルカリにも強く、腐敗防止、防虫の効果もあるため、食器や家具に適していますが、その反面、二重結合を含んでいるため、紫外線によって劣化する事があります。

金属などに塗った場合、百数十度まで加熱することで焼き付け塗装することもできます。

最も一般的な用途は塗料として用いることで、食器や高級家具、楽器などに用いられます。塗料としての漆の伝統的な色は黒と朱ですが、黒や赤以外に、緑、オレンジ、ピンクなど鮮やかな色を自由自在に用いるのがベトナム漆器の特色です。他の国には見られない漆の豊かな色づかいを楽しめます。

漆が豊富に採れたベトナムでは、古くから宮殿などの建物の塗料に漆を使ってきました。

180年前に活躍した皇帝ミンマン帝が暮らした邸宅など、この時代には突然たくさんの色が登場します。 伝統的な赤や金以外に、青、黄、緑などが使われるようになったのはこの頃からです

ベトナム漆はこまやかな螺鈿細工(らでん=夜行貝や鮑貝の貝殻=を成形して貼り付けたもの)や、アヒルの卵の殻をあしらったもの、金箔・色染を使い描く染め絵が中心です。このベトナム漆は安南(アンナン)漆とも呼ばれ、日本にも古くから入ってきていたようです。産地として有名なのは、ハノイ市の西北約150kmにあるプートー(富寿:Phu Tho)地区です。


<ベトナム漆>


刺繍絵

ベトナム刺?はフエ王朝で生まれ、王宮の職人が故郷の村に戻ってからベトナム全土に広がりました。もともとは中国文化の影響の強い中国風衣装の刺繍から始まり、その後刺繍絵へとその技術が発展しました。フエでもハノイでも、その複雑な刺繍絵の作業を見学することができます。現在ではテーブルクロス、クッション等の商品も揃えています。

刺繍絵は、下絵にひと針ひと針丹精に刺繍を縫いこんで、細やかな色使いの絵画とした、実に見事なものです。

大変な手間がかかる作品ですから、人件費の安いベトナムだからこそ出来る芸術なのかも知れませんね。 


<刺繍絵@>


<刺繍絵A>

ライム塩

ベトナムのライム塩とは、塩コショウに、さらに「レモン」(皮が緑の小さなライム)を加えた調味料です。

BOT CANH IOTという塩(ヨード(海草類)入りで粒子が粗く、塩の旨みが柔らかくて美味しい塩)にライムを絞り込み、場合により生唐辛子を加えたものをよく使います。ベトナム料理のみならず、日本料理にも実によく合う調味料です。お土産に最適ですよ。


<ライム塩>

ダラットワイン

ダラットはホーチミンからバスで6時間ほどの場所に位置する観光エリアで、東京で言えば、丁度「箱根」のような避暑地。標高の高い高原地帯のため、年間を通しても平均気温は18度から23度と快適で、フランス統治下時代にフランス人の高級貴族、および軍人たちの手によって避暑地として開発されました。

そこで作られる「ダラットワイン」は、20世紀の末から作られるようになり、2006年にAPEC(アジア太平洋経済協力機構)がベトナムで開催された時に、それを記念したワインが作られて有名になりました。葡萄に桑の実を加えて作っているということで、色合いは薄いルビー色。香りは、小梅やラズベリー系の香りをしています。


<ダラットワイン>

きな粉菓子 バインダウサイン(緑豆餅)

楽友三田会合唱団の皆さまには毎度末続のお土産でおなじみの、「きな粉菓子」
材料は緑豆粉、砂糖、油脂、バニラ香料
きな粉菓子は、緑豆から作った粉を型に入れて固めた干菓子。写真のように包みを開けると1pほどのキューブ状にカットされているのですが、これがとてももろくて、丁寧につままないと、口に入れる前に粉々になってしまいます。

(MMCの練習場では、床にこぼさないように気をつけて食べましょう!!)
お菓子の味としては、日本の「落雁」にも近いのかな?
年配の(失礼!!)皆さまには、何か懐かしい味のするお菓子です。


<きな粉菓子>

バッチャン焼き

バッチャン焼き(ベトナムの陶器)の歴史は遡ること、15世紀頃となります。

もともとそれ以前から焼き物文化はあり、陶磁器と呼ばれるものは10世紀頃にはすでに作られていたと言われています。当時はベトナムでは運良く交易が栄えていたということもあり、多くのバッチャン焼きがアジア、西洋に輸出されました。

バッチャン焼きというのはそもそもバッチャン村で作られた陶器で、言い換えればバッチャン村以外で作られた陶器はバッチャン焼きとは呼びません。そのバッチャン村は、北部ハノイ中心から約10キロほど南東に下った場所にある小さな村で、バッチャン村に住む9割以上の住民が陶器を作っています。

一見すると日本の陶器とも似通っていて、日本人にも馴染み深いものです。

ハノイからも車ですぐに行けるので、ハノイの駐在員はよく買いに行くのです。


<バッチャン焼き>


カッパさん、
明けましておめでとう御座います。

ごめんなさい。
続きです。

正月早々ご苦労さん。
最後、最後と言い続けて未だに書いている爺さんがいる。心配しないで書きなさい。
かっぱ