歌をつくる人にまつわる話
The Story of Songwriters

(20) Michel Legrand  What Are You Doing The Rest Of Your Life?

Michel Legrand(1932-2019 )
1965年に「シェルブールの雨傘」の"I Will Wait For You"がアカデーミー賞にノミネートされて以来、コンテンポラリー・ミュージックでもっとも重要な人物の一人となりました。また、ジャズ・ピアニストとしても著名なのであります。

1968年に映画「The Thomas Crown Affair」のために書いた"The Windmills of Your Mind"でオスカーをはじめて獲得しました。日本語でいうと、スティーブ・マックイーン主演「華麗なる賭け」の主題歌「風のささやき」です。

多くのジャズ歌手達が"Watch What Happens"をよく唄います。

わたしは、彼のチョットばかり深刻なメロディに惹かれます。このページのタイトル曲もその一つですし、"How Do You Keep The Music Playing?"も大好きな歌です。この2つの歌は内容的にも共通するものが感じられます。

共通するわけです。作詞がどちらもアラン&マリリン・バーグマンによるものなのです。ルグランにバーグマン夫妻をつないだのはクインシーです。

後日談です。2007年11月1日にルグランのコンサートがあるというので、渋谷オーチャードホールに行ってきました。シンフォニーオーケストラも同行して凄い人数でした。それに、姉のクリスチャンヌ・ルグラン(vo)とカトリーヌ・ミッシェル(harp)もゲストで出演です。おまけに日本人の共演者まで居るのです。

2つ年上のクリスチャンヌはSwingle Singersやその前身のDouble Six of Parisのメンバーとしてジャズコーラスをやっていました。言うまでもなく「シェルブールの雨傘」や「ロシュホールの恋人たち」などのレコーディングにも参加しています。

ルグランはお話が大好きで、ひょうきんで、唄うことが大好きで、コンサートの間、動き回って喋って歌ってピアノを弾いてオーケストラを指揮してじつに忙しいコンサートでした。ルグランの唄うのは初めて聴きました。コンポーザーが歌うのは、歌手が歌うのとは一味違うものがあります。ルグランのボーカルもまさにそういうものでした。

ついひと月ばかり前に、Patti Austinが唄う"How Do You Keep The Music Playing?"を珍しく聴いてきたばかりなのですが、今度はクリスチャンヌとのデュエット(Quincy Jonesのアレンジによるもの)を聴いてきました。たったひと月くらいの間に、珍しい曲を2度も聴いてしまいましたが、こういうことって度々あることです。不思議なものです。


⇒ ルグラン訃報

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