音楽仲間とバンコックに旅行したときのことです。われわれ専用のマイクロバスの中で、こんな会話が本当にあったのです。

｢女性ジャズ歌手では誰が一番偉〜いか？｣

｢そりゃあ、エラだろ？｣

｢ふーん、でも、サラはさらに偉いよな｣

すると、横から洒落に気づかない天ぷらや榊原さんがマジになって、

｢ばっか！、ビリー・ホリデーだよ｣

というと、むっつりとして聞いていたベースマン相羽さんが突然大声で、

｢後ろから、カーメンがマックレー！｣

と叫びました。一同は抱腹絶倒、ただし、天ぷらや主人を除いてですが。その榊原さんは日本一の味と値段を誇る天ぷらの芸術家です。死ぬまでに一度は召し上がってみて欲しい味の芸術品です。お店は銀座にあり、天ぷら「由松」と申します。

注）まくる＝競輪で後方から追い抜いてゴール直前でトップに出ること。

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これを読んで、ここの４人の更に先輩格の歌手たちがいました。別の稿で取り上げられますが、Ethel WatersとかMildred Baileyなどは今聞いても古くない歌を歌っていたのです。

日本から佐藤さんゆかりの六本木ドミナントのバンドや応援部隊、総勢１０数名を引き連れて、昼、夜２部、それぞれのお客さん３００名という大コンサートでした。ご丁寧に曲目まで変えたりして。

写真はトリオのコーラスで"Side By Side"を唄っているところで、右から嶋田トオル（元サーカス）、佐藤さん、私、バックはDOMINANT BANDです。