歌をつくる人にまつわる話
The Story of Songwriters

(14) Kris Kristofferson Sunday Morning Coming Down


Kris Kristofferson(1936- )

ジャズ関係の方でこの歌を知っている方はドリーと懇意の方しかいないのではないかと思いますが、ドリーの18番中の18番です。もともとKris Kristoffersonというカントリーのシンガー・ソングライターが1969年に出した歌なのでジャズの人達はほとんど知りません。彼自身以外ではJohnny CashやWillie Nelsonらがヒットさせておりますが、翌1970年にCountry Music Association Awardsを獲得した有名な歌なのです。私は作者自身の歌がシンプルな中に心情がよく表れていて好きです。

Rita Coolidgeは73年に彼の奥さんになりました。

日本のカントリー歌手のどなたかが歌っているのかもしれませんが、わたしは存じておりません。


Dolly Baker(1922-2014)

わたしは80年代になってドリーの歌を初めて聴き、それ以来、唄い続けてもらいました。ずーっとこの曲のピアノ伴奏をしてくれたLamp Lightの有福さんがお店を畳んでしまったので、たまにしか聴くことが出来なくなりました。1993年、彼女がCD発売記念に開いた虎ノ門ニッショーホールでのコンサートでは、前田憲男のアレンジ、ピアノとフルバンドで唄いました。ドリーの後見人、沢田靖司もこの曲の伴奏をしたことがないのです。

それから6年後、99年12月の沢田靖司の還暦コンサートでこの歌を唄いました。最高の出来だったのではないでしょうか。アレンジはギターの細野義彦が新たに書いたものでした。原曲の味を生かし上手くアレンジしたものです。

家族のない、一人ぼっちの男の寂しさを唄っている歌なのです。この歌は妻に先立たれたり捨てられたりした人の身にしみ込んでくるのです。歌詞も曲もたまりません。ドリーはご主人を77年に亡くし一人ぼっちで東京に住んでいますから、彼女のフィーリングは胸に迫るものがあります。

「そんなにいいなら聴かせろ!」 

「よし、たまげるなよ!」

これは、1999年沢田靖司の還暦コンサートで歌ったビデオです。編曲はギターの細野よしひこですが、原曲の雰囲気をうまく取り入れて伴奏をしてくれました。ドリーの絶唱を聴かせます。

 

 Sunday Morning Comin' Down Lyrics

Videoを開いてから↑をクリック

さて、今年は2012年になりました。2月7日はドリーの誕生日ですが、今年で目出度く90歳になりました。その90歳のおばあちゃんが誕生日の写真を添えて手紙を書いてくれました。わたしはこんな嬉しいことはありません。

わたしもドリーの思い出となる写真やドリーが見たら吹き出してしまいそうな面白いものを集めて送ろうと思っているところです。

その90歳の若々しい写真をお目にかけましょう。(2012/2) ⇒ ドリー・ベーカー90歳の誕生日

元気にしていたドリーの訃報が来ました。(2014/4/24) ⇒ ドリー死去


⇒ Texas Medal of Arts Honor


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