ジャズと小噺 |
(28) 渋い父娘とは |
FJS Famly Concert 2012 |
FJSという女声ジャズ合唱団があります。今年で満10年を迎えます。2002年12月俳優座で開催の”Sound in Roppongi 2002”のために結成した合唱団です。わかGはその立ち上げに関わり、音楽監督をしています。 メンバーは次々と入れ替わましたが、月に1度か2度の練習を重ねて、最近では1年半に1度は大きな発表の場を踏んでいます。 2012年6月は、渋谷のShidax東京メインダイニングに100名近いファミリーやお友達を迎えて”Family
Concert”を開きました。 |
2月から練習を始めた”On The Sunny Side Of The Street”がありますが、ひょんな動機でTommy Dorsey楽団のアレンジャー、Sy Oliverのスタイルで歌うことにしました。このレコードでは後半の1コーラスにClark Sistersの女声コーラスが入っています。練習の日に「クラーク・シスターズが歌っています」と紹介しました。寺木さんのご主人はドーシー楽団とシナトラのレコードを聴くのが大好きという古いジャズファンです。そのご主人が「サニーサイドを歌っているのはセンチメンタリスツじゃないか」と言っていますと寺木さんからのメール。 クラーク・シスターズはTommy Dorseyに雇われて”The Sentimentalists”というグループ名をもらったのです。The Clark Sisters=The Sentimentalistsなのです。寺木さんのご主人、寺木泰雄氏は鮎解禁で伊豆に出かけるかもしれないとということでしたが、釣りには行かずFJSに来ていただくことになりました。こんなグループ名をご存知とは流石に戦前生まれの筋金入りのジャズファンです。私は嬉しくなってしまいます。
さて、FJSのコーラスを聴いて、泰雄さんから「特にファッツワラーの曲とムーンリバーが良かった」という感想をいただきました。Fats WallerといわれてFJSの皆さん、どの歌だか分かりますか?Fats Wallerは1920年代のニューヨークを舞台に有名だったピアノ弾き語りの元祖です。ファッツワラーは”I'm Gonna Sit Right Down And Write Myself A Letter”をヒットさせました。 Fats Wallerを最近の人は平気で、ファッツウォーラーと読んだり書いたりしています。僕らは顔をしかめてしまいます。てな訳で、わたしは、
とメールを書きました。そうしたら、寺木さんから
という渋いメール。みなさん、”I Know Why”という歌をご存知ですか?オージーサンズが10数年前に3人で歌っていたレパートリーに入っています。だから、オージーサンズも渋いのです。Harry WarrenとMack Gordonという黄金コンビが1941年に書いた渋〜い歌です。 普通のジャズファンは、”I Don't Know Why”を知っているでしょう。でも、”I Know Why”はね。花岡さんの「渋いね」とはどういう意味で言ったのか真相を聞きたいですね。
寺木優子さんにはFJSのコンサート会場で受付をしていただきました。覚えていますか?向かって一番右が優子さんです。今度、OZSONSの爺さんが歌う”I Know Why”を聴かせます。忘れないように時々3人で歌っているのですよ。FJSのメンバーの中で練習中の歌を最も早く暗譜してしまうのが寺木さん、寺木春江さんなのです。ジャズレベルがものすごく高度な渋い家族です。 優子さんはインターネットでFJSのサイトを見つけて、お母さんに「こんなジャズ合唱団がある」と教えたのです。それで母親はFJSメンバーとなったのです。(2012/6/5) ◆ ◆ ◆ ◆ さて、何日か後のことです。寺木家族はこのページを楽しく眺めてくれました。そして、またまた優子さんがわかGをびっくりさせました。FJSやOZ SONSのコーラスで”London By Night”を聞きたいと言ってます。この歌は1950年という中途半端な時代の歌でCarroll Coatesの作詞作曲です。映画の歌をいろいろ書いていますが、スタンダードを歌うような人にはあまり馴染みが無いと言ってよいでしょう。 しかし、”London By Night”はシナトラが最初にレコーディングしたのではないかと思いますが、われわれはSingers Unlimitedが出したアルバムA Capellaに入っているのを聴いてたまげたものです。折角のリクエストですからお母さんが歌えるようにFJSのコーラスにアレンジしましょうか。(2012/6/10) |
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