SUEのエッセー

ハノイの近郊から

ドンラム村


ハノイから南西に約45kmの位置の、車で約90分ほどのハタイ省に、ドンラム村(Duong Lam Village)と言う農村が有ります。昔ながらの伝統家屋と景観を残し、古代の英雄、フンフン王・ゴクエン王を輩出したことでも有名な農村です。

この二人の王は、以前ご紹介した「ベトナムの科挙制度」で優秀な成績を収めて官僚となり、のちに「為政者」にまでなった王たちです。ドンラム村は、ハノイのそれこそ「ど田舎」なのに、優秀であれば、そんな土地の出身でも王にまでなったという素晴らしいお話です。

この村に関して、日本国文化庁とベトナム社会主義共和国文化情報省との間で、伝統的集落および建造物の保存、修復、管理の分野における技術協力、ROD(Record of Discussion)が締結され、そのケーススタディとして、ハノイ近郊の農村集落であるハテイ省ドンラム村の保存プロジェクトが選ばれました。 その保存の実務は、JICAの青年海外協力隊によって実施されました。

そのJICAの青年海外協力隊のメンバーの一人が、家内と同じ立教の出身でしたので、彼の案内で、ハノイ立教会のメンバーと一緒にドンラム村を訪れました。

ドンラム村は、ベトナム人の構成民族のうち最大人口を占めるキン族の村で、ベトナムが中国による支配から自律し、独自の国家を形成していく過程で活躍した前述の二人の英雄を輩出しました。村の主要地区は、直径300メートルほどの微高地に設けられた4つの集落からなっており、この微高地の周囲を塀と溜池で囲み、各集落の入口には門を設けるという閉鎖的な構成に特徴があります。集落内では、通り抜けの可能な比較的太い街路から、多数の袋小路が枝分かれし、住宅が密に配されます。

2005年には9つの集落のうち、5つの集落(モンフー・カムティン・ドンサン・ドアイザップ・カムラム)が国家文化財に指定され、次期世界遺産候補として有力視されている村です。村の雰囲気は、ベトナム中部にある世界遺産の町・ホイアンと似ており、第2のホイアンとなるだろうといわれています。この村の伝統家屋や景観を守ろうと日本のJICA、奈良文化財研究所、昭和女子大学などが伝統家屋の保存に協力しています。日本の技術支援のもと、村民による修復作業への参加により、2010年までに、7棟の歴史的建造物の修復が行われ、現在も活動が続けられています。まだメジャーな観光地ではありませんが、村内の見どころを案内する村民ガイドも誕生していますし、地鶏を使った郷土料理を出す食堂も出来ています。主な見どころは、村の伝統家屋、ミア寺、モンフーディン(集会所)、ザンヴァンミン祠堂など。見学時間は約2時間です。以下、写真でご紹介いたします。


<ドンラム村の入り口>

これが、ドンラム村の入り口です。

ドンラム村には、200〜400年前に建てられた歴史・文化的価値の高い家屋や寺院が多く残っています。保存対象の5集落には約1500世帯が暮らしており、2003年に日越両政府の協定が結ばれて、昭和女子大や奈良文化財研究所、国際協力機構(JICA)などがその調査や保存に協力してきました。05年に農村として始めて国家文化財に指定され、世界遺産登録を目指しています。

ここでは稲藁を焚く香りが漂う蜂の巣レンガの小道など、昔懐かしい日本を思わせるような風景が再現されています。


<昔々の日本を思わせる風景 @>


<昔々の日本を思わせる風景 A>

驚いたのは、こんなド田舎にも、大変立派なカトリック教会が有る、という事です。

こういうキリスト教のミッションの目的が、本当の意味の「キリスト教の布教」であったのか、それとも西欧列強の「植民地政策」の手先だったのかは、時に分からないことも有りますが、「こんな田舎にまで」と、心底驚かされます。


<立派なカトリック教会>


<教会の中で @>


<教会の中で A>

「JICAの青年に日本語を習っている」という子供たちの澄んだ目と笑顔が素敵でした。


<笑顔の子供たち>

皆様も、ベトナム北部へお越しの際に時間が許せば、この村へ足をお運びになってもよろしいと思います。

(2017/11/03)


カッパさん、
11月になったから、今月分を書いた。
写真はどれもx600以下、5メガ以下にした.
 
まずは写真を4枚。
続けて、3枚送ります。

よろしゅうお願い。

SUEよ
画像サイズの学習、ちっとも出来てない。
送って来た写真は、3456×3456ピクセル(4.2MB〜4.9MB)だった。
これを張り付けた画面を見せよう。

http://ozsons.jp/SUE/PhotoSize.htm

もう一つ、「楽友」の「執筆要綱」、さらにリンクしている「写真画像編集」を参考に。

http://www.keiogakuyukai.com/Editorial.htm

かっぱ