SUEのエッセー

ハノイの街角より

ハノイの「洪水」三題


今回は、ハノイの三つの洪水のお話です。

一題目 水の洪水

以前、<<もともと「ハノイ」というのは中国語の「河内」で、初期の街(今のハノイ市の中心部の、ホアンキエム・バーディン・ドンダー・ハイバーチュンの4区にほぼ相当)が二つの大きな川、 紅河とトーリック川(蘇瀝江)に挟まれていたことからこの地名で呼ばれていました。ですからハノイは全体が湿地帯で、市内には、川から分断された湖や沼がいたるところに有ります。今でも「水はけ(雨水の処理)」が極めて悪く、ちょっとしたスコールがあると、市の中心部に水が溜まり、車が動けなくなることがしばしばあります。>>
と、お話しましたが、その様子が下の二枚の写真です。

これは別にハノイが特別な“雨台風”に見舞われた時、と言うのではなく、一寸激しいスコールが有るとしょっちゅうこうなります。ハノイ全体が平らでスロープが無く、道路の排水が追いつかないのです。これがハイバーチュンなどの市の繁華街の中心部で起きるのですから大変です。車も、普通のセダンはマフラーが水に浸かってしまうので走れず、背丈の高い、いわゆるミニバンが幅を利かせます。オートバイも、皆降りて、水の中を押して歩く事になります。でも、皆慣れたものです。


水の洪水@


水の洪水A

二題目  オートバイの洪水

その次の二枚が、皆様も、TVでご覧になった事がお有りかも知れませんが、「ハノイのオートバイの洪水」です。このような洪水は、ハノイやホーチミンばかりでなく、ジャカルタでもお馴染みの風景です。これらの都市では、いわゆる「鉄道による公共輸送手段」が無いので、モータリゼーションの発展に伴って、こうなってしまいました。シンガポールやバンコックでも、昔は同じでしたが、この二都市では高架や地下の公共電車交通機関(シンガポールではMRT、バンコックではBTSと呼ばれています)が出来て、このような情景は大分少なくなりました。


オートバイの洪水@


オートバイの洪水A

それにしても、こういう国々(都市)に来ると、日本の大都市での公共交通のネットワークの素晴らしさ、を実感します。JRにしても、私鉄にしても、地下鉄にしても、日本はよく今のようなシステムを作り上げたものです。

オートバイついでに、ハノイの「4人乗り」の写真をご覧ください。ハノイでは、二人乗り、三人乗りは当たり前。この「4人乗り」もよく見かけます。今まで「一番多く乗っている」のを見たのは、前から「子供」「お父さん」「子供」「お母さん」の四人乗りで、そのお母さんが両腕に二人の子供を抱えて、ここまでで都合六人。そのお母さんはお腹が大きかったので、それまで入れると七人と言うのが最高でした。法規で認められているのは、当然「二人乗り」までです。「よく落っこちて死なないなあ」と言ったら、ある人が、「落っこちるような奴は、とっくに落っこちて死んでいるのよ」と不謹慎な事を言っていましたが・・・  さて???


オートバイ4人乗り

(先日、ある事情で三人乗りの一番後ろに乗る羽目になりました。ほんの2分くらいでしたが、足を置くところもなく、手で掴まる所もなく、ホント恐ろしい2分間でした。帰りは「送ってやる」と言うのを断って、歩いて帰りました。)

三題目  電線の洪水

次の二枚の写真は、街の電柱の周りの「電線の洪水」です。
これは(東電ならぬ)「盗電」ではないかと思いますが、実際何がどうつながっているのかは分かりません。

実は以前(2009年)にハノイに居た時には、市の中心部を始めとして、街中の電柱がこう言う状況でしたが、2010年が、李朝を樹立した李太祖(Ly Thai To リー・タイ・トー)がハノイに遷都してから1000年になることを記念して、市内で色々な記念の催しが有った時に、市の中心部の電線は綺麗に片づけられてしまいました(多分地中に埋められた?)。でも、まだ裏道や脇道にはこのような状況があっちこっちに残っています。


電線の洪水@


電線の洪水A

なお、こんなTシャツをハノイ市内で売っていましたよ。


オートバイのT-シャツ


電線のTシャツ


ハノイの信号: Vietnam Traffic Lights Laws

“GREEN: I CAN GO”
“YELLOW: I CAN GO”
“RED: STILL I CAN GO”

まさにこの通りで、信号が「赤」でもオートバイは突っ込んできますから、歩行者は常に「要注意」でなければならないのです。

(2016/6/7)


カッパさん、
「SUEの・・」の、No.25です。
来年は72になります。

スエツグよ
来年は76になります。
「バイクの効用」というページがある。