歌と歌手にまつわる話
Story of Songs and Singers

(286) Julio Iglesias Nathalie


Julio Iglesias (1943- )

過日、「All Keio Tango Concert」というイベントが内幸町ホールで開催された。わたしはタンゴ人でないにも拘らず、タンゴアンサンブル三田会の特別会員にされて、何かとお手伝いをしている。特別会員になったきっかけは、2013年に初めて開催された「アルゼンチンタンゴ早慶戦」に誘われ、聴きに行くというより取材をしに行ったことに始まる。

ビデオと写真を撮ってきて、私のサイトを使って「第1回アルゼンチンタンゴ早慶戦」のページを公開した。出演者たちはびっくり仰天した。このイベントに私を誘ったのは、普通部時代からの同期生だった。彼は大学でKBRタンゴアンサンブルというタンゴ・サークルでピアノを弾いてきた。
 

20世紀中頃はタンゴの絶頂期だった。タンゴのディスクジョッキーがあり、よくタンゴの曲がラジオから流れてきたものだった。しかし、ラジオから流れてくるタンゴに私は反応しなかった。それが、30年後の80年代に国際学会に出席するためにブエノスアイレスに出かけた。そこで、カーサブランカというライブ・レストランでレオポルド・フェデリコ楽団のタンゴ生演奏を聴いて私は全面的に降伏をした。実に素晴らしく、私は尻が浮き上がってしまった。

実はフェデリコと隣でバンドネオンを弾いていたのは日本人の奏者、米山義則という当時30歳を出たばかりの若いタンゴ人だった。二人の掛け合う様子は、まるでジャムセッションのように即興的な演奏のぶつけ合いだった。今から数えれば33年前の夏のことだった。フェデリコ楽団は、毎年来日していた。渋谷のパルコ劇場に聴きに行ったのを思い出す。

  

さて、「All Keio Tango Concert」のプログラムに、「黒い瞳のナタリー(Nathalie)」が入っていた。アンコールの1曲目に柏原 誠が歌った。

 

これを聴いて思い出した歌手がいる。名前が出てこない。内田 宏に訊いた。

「フリオ・イグレシアスだよ」

おー、スペインの歌手で80年代にアメリカに移住し、超有名なラテン歌手となった男だ。30年ぶりに思い出した名前だ。

という訳で、このページが出来ました。(2020/2/11)


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