ジャズと雑学

(81) 間違ったジャズ歴史の解説 ジェローム・カーン

Net上でジャズの歴史解説を試みている若いドラマー黒田和良がいる。Jerome Kernの解説Youtubeを偶然に見てしまった。 

先ずは、そのYoutubeをご覧に入れましょう。

 

https://youtu.be/7YnH4F18o94

Tin Pan Alleyの解説が出てきます。 

「譜面を売るところでピアノを弾いていると、ティンパン、ティンパンと鳴るのでTin Pan Alleyという」と語っています。Tin Pan Alleyの意味も知らないようです。いい加減な話を人に語るのは、かつての毎日新聞の川崎 浩の記事と一緒で、何とも困った話です。

ポピュラー音楽の作曲家や作詞家を抱えた軽音楽出版ビジネスが1890年代半ばから盛んになりました。譜面、ポスター、絵葉書などを売っていたのです。まだ、レコードは売られていません。因みにエジソンの円筒型レコード発明は1876年です。その10年後、円盤レコードが発明されますが、初のジャズのレコード発売は1917年です。

音楽出版社にはデモンストレーション用のピアノが置いてあり、客に譜面の内容を演奏して聴かせます。夏ともなろうものなら窓が開けっ放しですから、あちらこちらの店からピアノの音が混ざり合い、「Tin Pan=錫鍋」をたたき鳴らすような騒音の街だったのです。そこで、Tin Pan Alley=錫鍋小路と呼ばれるようになりました。命名は、Monroe H. Rosenfeld(1861−1918)という新聞作家でソングライターによるものです。


Monroe H. Rosenfeld

⇒ Tin Pan Alleyのページ

次に代表曲としてミュージカルShow Boatの”Ol’ Man River”の紹介をしてますが、タイトルを間違えて”Old Man River”と解説しています。意味は同じですが、歌のタイトルは”Ol' Man River”です。多分、譜面を見たことも、歌ったこともないのでしょう。 

⇒ ”Ol’Man River”のページ

(2022/4/8・昔は始業式の日)

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