ジャズと小噺
Jazz and Topics

(36) アナログ回帰 Analog Regression


Cassett Tape

めっきりとCDの売り上げが落ちた。何処かのページでも書いたが、昔の音楽ファンは1曲が聴きたいために10何曲も入っているLPレコードや後にはCDを買ったものだ。

カセットテープも売り出され、ラジカセなんて流行り出した。ソニーのWalkmanは世界的なヒット商品だった。カセットに録音して持ち歩いたのだ。

車にはCDデッキではなくカセット・デッキが付いていたのだよ。

CD(Compact Disc)が流行り出したのは1980年代半ばのことである。これはディジタル録音商品のはしりである。
 

2000年代に入りインターネットの社会になり、聴きたい曲がインターネットでいくらでも聞けるし、気に入ればファイルを有料・無料でダウンロードできる。ネット上を素早くデータを転送するために、いろいろな圧縮技術が開発され、音楽ファイルのサイズは何十分の一になった。ネット上の音楽は圧縮ファイルですから、音の密度が実はスカスカなのです。

これだけ軽くなると、ダウンロードしながら再生するという、Streamingが主流になってきた。さらにYou Tubeという音楽動画の配信システムが大流行。見聞きするだけでなく、素人が拙い歌を歌ってYou TubeやFacebookにその動画を上げている。 プロになった気分を味わっているのだろう。

このような環境では、若者たちはわざわざCDなど買わない。

そんな2016年の中頃から、若者の間でカセットテープが評価され出したという記事がでた。アナログ録音のリアリティを彼らの耳が新鮮に聴いたのであろう。HMVなどでも中古のカセットテープを並べている写真が出てる。

年寄りの懐古趣味で復活したという話ではないところが面白い。

そんな時流の反映なのか、今日、日本コロムビアから突然LPが一枚送られてきた。

今年5月に1972年の沢田靖司のLPレコードの復刻CDが2枚売り出されたばかりなのだ。が、

半年もしないうちに、今度は復刻LPを11月9日に売り出すという知らせだった。

JET SETというレコードのネット販売会社がコロムビアに発注したという話だ。

https://www.jetsetrecords.net/

コロムビアの担当者がJet Setの英断だと驚いている。

LPがかけられない方 ⇒ CDを買ってください (残り3点と出てます)

今どきLPがかけられる家ってどれくらいあるのでしょう。昔のものを皆さん整理してしまわれたものと思われます。「断捨離」だと言って昔のLPを送りつけてきた後輩がいます。「返せ」って言われるといけないから捨てないでおきます。

我が家では何時でもLPもカセットもOKです。だから、プロ歌手が古いLPを持ってきて私に「CDに落として」と言います。自分の家ではLPが聴けないのです。

最近の風潮、「アナログへの回帰」です。面白いことになってきそうです。


LPジャケットの裏面

昔、沢田スクールに通った皆さん、1回のレッスンをカセットに録ってもらったことを憶えてますか?

(2016/10/26)


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