大好きなジョニー・マーサー＆ハロルド・アーレンの"One For My Baby"という歌をアステアやシナトラは歌唱で演技をします。さすがに役者なんですね。うならせます。

"I got a routine, I dropped another nickel in the machine"

と歌うところがあるのですが、トニー・ベネットのロンドンのコンサートでお客が"nickel in the machine"というところで「ワッ」と笑ったのです。なぜ笑ったのか分かりません。変なこと、ずっと気になっていました。

そうか、イギリスにはNickel＝５セント硬貨はありません。

そう、もう一つ大事なことを思い出しました。"nickel in the machine"というところを、重ねて唄ったのでした。「おい、５セントだぜ」と念を押していたのです。相手がイギリス人だからでしょう。これでだいぶおかしくなってきました。

こんど聴いたら、笑いましょう。イギリス人みたいに。

作詞者ジョニー・マーサーご本人が唄っています。やはり原詩のままではなく、ところどころ歌詞を変えて唄っています。憎いおじさまです。（1998/10）