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杉
作 の う た 2005年の新年会で published January 31, 2005 |
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2005新年会 |
更新 2006/11/26 2007/12/18 2008/08/08 2009/01/29 2009/04/12 2009/04/14 2009/08/14 2010/02/26 2010/04/19 2010/06/11 2011/01/22 2011/07/29 2012/12/30 2013/05/17 2015/01/17 2016/05/04 2016/09/21 2016/11/09 2017/01/03 2017/12/08 2019/01/24 2020/11/23 2023/09/09 |
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私のことを大事にしてくれた大学時代の混声合唱団の2年後輩が、5年前の8月に若くして「くも膜下出血」で倒れた。驚きと悲しみで一杯だった。彼はほとんど死んでいたと言ってよい。それが、恋女房の懸命の看護のおかげで死の淵から這い上がり、永い間のリハビリテーションにより、外出も出来るようになった。自分で物を書くと「杉作」と名乗っている。杉作は2年前から合唱団のOB/OGの新年会に女房と友人らに連れられて出てくるようになった。 今年も杉作は新年会に出てきた。今年は車椅子ではなく、杖を突いて車からは自力でゆっくりゆっくり歩いてきた。 彼は「生きているのが辛い」と私に内緒話でささやいた。 「・・・」 詰まってしまった。実際、自分のしたいことが出来ず、歯がゆいことばかりなのだろう。健康な人間でさえ、自分の人生を生きていくのは楽なことではない。
杉作はポケットから8ページを一冊に綴じたものを出して「これを読んでくれるか」と言った。読んだら、感想を言ってくれと言う。 その1ページ、1ページには俳句のような、和歌のような、「うた?」が書かれていた。 「感想なんて、辛くて悲しくて言えねえよ」 半分はよいのだが、残りの半分は冷静に読むことが出来ない。杉作の気持ちがダイレクトに届いてくるからだ。強いて言えば、私の感想とはこのホームページそのものである。 元はと言えば、リハビリのためのお習字なのだそうだ。筆書きしたものを1枚の紙に数句を切り貼りして、それを更にコピーして持ってきたのである。人に読んでもらいたかったのである。自分の気持の深層を伝えたかったに違いない。 「帰りに俺がもらっていくぞ」 嬉しそうな顔をして、コックリとうなづいた。 |
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杉作は学生時代からジャック・ティーガーデンに憧れて、自分でもトロンボーンを吹いていた。 「トロンボーンは吹いているのか?」 「トロンボーンが欲しい」 昔のトロンボーンは手許にはないらしい。トロンボーンを吹いてみたいはずである。吹かせてやりたい。楽器をいじくることは人間にいい作用をもたらす。 ジャック・ティーガーデンが歌ったビクター・ヤングの名曲”A Hundred Years From Today”(1933)という歌がある。大抵の人は知らない。それが、杉作と私は、この歌が大好きでしようがない。 私が昔から大事にしていた直筆サイン入りのJack T.のAutograph、今は杉作が持っている。あいつが持っているのが一番似合っている。 |
Jack Teagarden(1905-1964) |
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杉作のことを知らない方でも、これを読んで何も感じない者は居ない筈だ。解説は抜き。彼の頭の中は、俺達以上にものを敏感に感じ、完全に元通りだ。彼一流の皮肉も風刺もピリリと効いている。 笑いと悲しみが同居していやがる!(2005/1/31) ■■■■■■■ 目 次 杉 作 の 作 品 集 杉 作 お 習 字「第1弾」(2005/1/31掲載) 杉 作 お 習 字「第2弾」(2005/3/10掲載) 杉 作 お 習 字「第3弾」(2006/11/6掲載) 杉 作「面白音楽列伝」(2006/11/26掲載) 杉 作「The Journey of INDIAN PACIFIC」(2007/12/18掲載) 杉 作 お 習 字「第4弾』+ぼ や き 日 記(2009/4/7掲載) ■■■■■■■ 杉 作 の フ ォ ト ア ル バ ム 2023/9 ■■■■■■■ 想像を超える感動のメールが寄せられました ■■■■■■■ 更 新 記 録 2019/10 このページを見れば最新の更新ページにつながります ■■■■■■■ |
このハガキは2004年の冬に来たものである。 これも何か感じさせてくれる。 窓の外は「白一色」 |
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"A Hundred Years From Today"を今度唄って聞かせてください、というメールが赤見紘たん(9期)から来ました。「大抵の人は知らない」と豪語しましたが、本当にそうなのです。杉作だけは知っていたのです。倒れる少し前に、この歌をめぐって電話で話したことをよく覚えています。 じつは、Maxine Sullivan(写真 1911-1987)が、30年代から50年代に唄って有名になった歌で、Jack Teagardenの他にも、Joe Williamsが唄っています。私の師匠、Dolly Bakerは1922年生まれのおばあちゃんですが、日本にいる頃、この歌を私にと言ってよく唄ってくれました。私にとってはドリー仕込みの1曲です。 1コーラスだけ唄ってみました。杉作の好きな歌です。聴いてください。 ⇒♪♪ A Hundred Years From Today Dollyにもらった原譜面 |
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