歌と歌手にまつわる話

(103) ブロッサム・ディアリー亡くなる Moody's Mood For Love

Blossom Dearieは少女のような可愛らしい声で弾き語りを聴かせる歌手でした。

50年代から唄いだして、つい最近の2006年までクラブ歌手をしていましたが、2009年2月7日、ニューヨークで亡くなりました。84歳でした。老衰ということです。

50年代の初めにパリに渡ります。そこで、後にSwingle Singersの前身となるコーラス・グループThe Blue Starsを結成します。57年に帰米で解散となりますが、59年にミミ・ペランによりDouble Six of Parisとして再結成となります。

パリではAnnie Rossとアパートをシェアしていたそうです。アニーは後にランバート・ヘンドリックス&ロスのメンバーとなります。


Blossom Dearie(1924-2009) in 1985


Blossom and Janet in New York

オーストラリアのピアノの弾き語り歌手でジャネット・サイデルはブロッサムに可愛がられた歌手ですが、一番尊敬していました。日本に来るたびに、ブロッサムの話を必ずしました。

ジャネットが珍しい歌を唄いました。それはVocaleseのはしりとなった”Moody's Mood For Love”という曲です。

じつは50年代の初めにKing Pleasureがこの歌を唄って話題となりました。この難解な歌の女声パートの部分があるのですが、ここを唄ったのはブロッサムだったのです。

 

それでジャネットはTom Bakerと男女のパートをひっくり返してレコーディングしました。それは後になって知ったことです。な〜るほど。

ジャネットのライブはほとんど聴きに行っていましたので、ベースを弾く彼女の実兄のデビッドやニュージーランド生まれのギターのチャック・モーガンらと顔見知りになり、よく話すようになりました。最近は、しばらく来日していません。何年か前までは”もんプロ”の西蔭さんがプロモートしていたのですが、縁が切れてしまったようです。

ブロッサムの後継ぎはジャネットしかいません。(2009/5/3)

⇒ Janet Seidel


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