年頭の一枚 2005

佛国寺の甍の波
(慶州,韓国)

昨2004年は「韓流の年」と呼ばれました。かつて無いめずらしい社会現象です。

私は生まれて間もなく、当時の京城(現ソウル)に移り住み、東京に引き揚げてくる1946年1月まで当地に居住していました。

1988年にアジア太平洋地域オペレーションズ・リサーチ学会がソウルで開かれました。この時、じつに42年ぶりにソウルの地を自分の足で歩きました。この会議の前に、私達は歴史的遺産が残っている慶州を訪れました。

佛國寺は世界遺産に登録されていますが、奈良や斑鳩のお寺と共通点が多いように感じます。私が一番印象に残ったのは、仏閣正面の入り口の石階段でも大雄殿の本堂でもなく、この裏側の風景でした。

人っ子一人もいない静けさと甍の波の絶妙な美しさでした。何と16年たってやっと描いたのです。

ちゃんと写真に撮ってこの日のために残してありました。年頭の一枚です。

2005.1.1

若山 邦紘

 

English Version