歌をつくる人にまつわる話
The Story of Songwriters

(30) ソング・ライターとユダヤ人
ユダヤ人がはじめてアメリカに移民したのは、23人のポルトガル系ユダヤ人でした。1654年、彼らはブラジルの宗教裁判から逃れるため、ニューアムステルダム(いまのニューヨーク)にやってきたのです。初期のユダヤ人移民はアメリカに歓迎されました。ユダヤ人はみな勤勉で道徳的な人ばかりだったからです。

19世紀から20世紀にかけてヨーロッパで迫害をうけるユダヤ人は年間10万人といった年もある程の勢いで自由の国に渡ってきたのです。しかし、この自由の国でも人種的憎悪が生まれはじめ、第一次世界大戦とその後の大恐慌により、偏見はますます大きなものになってしまいました。

アメリカのユダヤ人がアメリカ社会のみならず人類のためにめざましい貢献をなしてきたことは疑う余地がありません。アメリカ人のノーベル賞受賞者のうち30%を占めているのです。しかし、過去50年の間にアメリカに移民するユダヤ人は激減し、現在では総人口の3%弱程度と本当はマイノリティーなのですが、各分野での彼らの活躍が並外れているためそのようには感じられないのです。

さて、われわれスタンダードを愛するものは、ユダヤ人を忘れるわけにはいきません。有名なところだけですが、写真左からジョージ・ガーシュイン、アービング・バーリン、ジェローム・カーン、リチャード・ロジャース、オスカー・ハーマースタインUら著名なソング・ライターがいるのです。少しジャンルは違いますがレナード・バーンスタインもそうです。彼らは、アメリカの音楽作品とミュージカルに新風を吹き込んでくれたのです。








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