SUEのエッセー

ハノイ音楽談義

 


@  ハノイでヴェルディーを唄う

さてここハノイで、4月から、唄いはじめました。

ハノイ・フロイデ合唱団という日本人の集まりです。

最初のいきさつは知りませんが、ハノイに居る「唄好き」が集まっているようで、S/A/T/B共に5-6名のメンバー、全体だと30人くらいになります。

全員が「唄キチ」かと言うとそうでもなく、音楽学校の声楽の出のレベルも居れば、「大学では自動車部だった」なんてのも居て、うまいのからど素人まで、色々です。

今年は、VNSP(ヴェトナム・ナショナル・シンフォニー・オーケストラ)の伴奏で、ヴェルディーのレクイエムを、本名 徹次(ほんな てつじ)の指揮で10月にやるそうです。「エッ、それじゃあ半年もない!!!」と焦りますが、この合唱団のほかにも、HIC(ハノイ・インターナショナル・クワイアー=外国人の唄キチの集まり)や、ハノイの音楽学校の生徒やそのOB/OGが加わるそうです。

そうでしょうね。いくらなんでも素人30人でヴェルディーはやれない。

そのあと12月には「第九」をやるそうで、これも大変だと思います。

合唱の指導(下振り)は、「昔、同志社のグリーで振っていた」人物です。

本番は本名 徹次氏と言う芸大の管楽器出身の指揮者です。

先々週の週末には、新しく工場を建てた日系企業の「開所式パーティー」に呼ばれて、2-3曲歌って、昼飯にありついてきました。今度はどこかの老人ホームを慰問に訪れるそうです。と、こんな具合で歌を楽しんでいます。

A ベトナム・ナショナル・シンフォニー・オーケストラでチャイコフスキーを聴く

昨夜、VNSOP(ベトナム・ナショナル・シンフォニー・オーケストラ)のチャイコフスキープログラムを聴きに行きました。

ハノイには、パリのオペラ座を模した、オペラハウス(Nha Hat Lon Thanh Pho ニャーハット・ロン・タインホー)という劇場が有り、そこが会場です。 一階の客席と、それを見下ろす、周囲の2,3,4階のヨーロッパ風客席、そうですね1200人くらい入るでしょうか。

こじんまりしていますが、中々響きの良いホールです。

曲目は、チャイコフスキーの5番と、ピアノ協奏曲の二つのプログラムでした。

まずはピアノ協奏曲でしたが、まずそのスタインウェイが、全く「調律されていない」ようなひどい音で、あきれはてました。

この曲は変ロ短調で、CとF以外は全て♭(黒鍵)と言う、運指が比較的容易であるけれども、読譜は極めて困難で弾き間違いが多い曲です。

チャイコフスキーはこの曲をルービンシュタインに献呈したのですが、彼から酷評されてハンス・フォン・ビューローへ献呈し直した、と言う逸話がありますね。

ピアニストは、「田村 響」と言う、オーストリアのザルツブルク・モーツァルテウム音楽大学を経て、現在、大阪音楽大学大学院在学中の、(インターネットによれば)「現在、日本で最も注目されている若手ピアニストの一人」という演奏家でしたが、正直、「出来が悪い」としか思えない演奏でした。

弾き間違いが何箇所かあったのは、仕方がないとしても、音が「ブツブツ」と切れて、音楽がつながらない。特にチャイコフスキー独特の高音の「泣きたくなるような」流れるような旋律が聞こえてこない、かと思うと、ペダルを多用しすぎて音が濁る。と言う具合でした。ピアノのせいもあったかもしれませんが、残念な演奏でした。

オケの方は、まあ、うちの長女がフェリスの中高でやっていたオケよりは少しましか?という程度でした。数年前にニューヨークフィルが来た時には、「ボーイングも揃っていない」ので、「ちゃんと練習してきたのか!」と腹が立ちましたが、昨日のオケはボーイングは揃っていましたから、まあ練習は一生懸命にやってきたのだろうと思います。

でも、楽器が悪いのかなあ。オケの鳴りも悪く、チャイコフスキーのロシアの響きには、到底届いていませんでした。旋律も聴こえてこないし。

二流のオケに共通の事ですが、管の鳴りが悪いのと、何故か音程が悪いのも気になりました。

一つだけ、ティンパニーが素晴らしく鳴っていました。顔が日本人みたいなので、そうかな?とも思いましたが、リストを見るとやはりベトナム人の名前でしたね。このオケには、日本人の演奏家の名前はありませんでしたね。

S席のチケット代は一枚約¥5,000.-で、此処の物価から見ると、大変な値段です。

今度また良さそうなプログラムが有ったら、「気をとりなおして」聴きに行ってご報告いたします。(2014/6/8)


カッパさん、
久しぶりでござんす。
末続@ハノイでやんす。

やっぱり、ベトナム人は、オーケストラには向かない、と思う。
大体、「他人に迷惑をかけない」とか、「他人のことを思いやる」とか、「礼儀を守る」とか、「順番を守る」などと言うことが、全く出来無いからねえ。
交差点でも、自分が1センチでも先に行こうとするから、結局誰も通れなくて、にっちもさっちもいかなくなる。とにかく「自分が先に突っ込む」ことしか考えねえ。
今朝タクシーに乗って会社に来る途中でも、バイクが(ちょっと待ちゃあ良いのに)突っ込んでくるから、結局誰も先に進めない。全く、頭に来た。
エレベーターだって、こっちが降りようとするのに構わず乗ってくるから、そのたびに突き飛ばさなくてはならぬ。で、突き飛ばされると、「ポカン」とした顔をしておる。

1000年の中国による支配、200年のフランスによる支配、40年間の、第一次(対フランス)/第二次(対アメリカ)インドシナ戦争が、こういう国民性を作ったんだろうかね。
倫理とか、礼儀とかいう言葉は無いのか。
(寺に行けば、儒教の教えなんかが書いては有るけどねえ??)

だから、「協調」が無いから、オケも無理なんだ。
朝のバイクに頭が来たので、つい書いちまった。

ベトナムシンフォニーの次の「モーツァルトサイクル」と言うお知らせが来たので、見てみたら、
スクリアビン
ときた。なんでこれがモーツアルトかよ??
トリスタンとイゾルデもやるらしいけど、今回は止めとく。

では。(2014/6/19)


「久しぶりでござんす」って、10日ぶりなんだけど・・・(Webmaster)