ジャズとコーラス Story of Jazz Chorus |
(72)Partner Songs(パートナー・ソング)とは |
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同じコード進行の別々の歌を一緒に歌うというハーモニー感覚の訓練法がある。コーラス人間にとっては、「3度上でハーモニーを付けてごらん」なんて簡単な話だが、ハーモニー感覚のない普通の人間には、とんでもなく難しいことらしいです。 そこで、コーラス入門練習に、パートナー・ソングを歌わせる訓練法がある。例えば、「どんぐりころころ」と「夕焼け小焼け」を同時に歌わせるのです。「ロンドン・ブリッジ」と「きらきら星」とか、「かたつむり」と「証城寺の狸囃子」とかいろいろな組み合わせがあります。 そういう教育が、今どきの小学校や中学校で行われています。つまり、合唱のパート練習が素人には難しいらしいのです。つまり、パート練習なしにハーモニー感覚の訓練が出来るというものです。既に知っている歌2曲を歌えばいいので、先生はコーラスのパートを編曲したり、教える手間も省けます。文科省が考えたのでしょうか?とんでもない! |
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こんなテキストを売っています。amazonで買ってみました。題材は童謡・唱歌でした。譜面が載っていますが、コードが付記されていません。 「異なった二つの曲を同時に歌うと、不思議にハモってしまう。このような曲をパートナー・ソングと呼んでいます」 と書いてあります。「コード進行」という概念は述べられていません。ジャズとは無縁の音楽家だということが分かってしまいます。 昔々は、斉唱⇒輪唱⇒合唱と段階を追ってハーモニー感覚の教育をしたものでした。 |
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◆ ◆ ◆ ◆ 一昨日の土曜日は、マヌエラで久米さんのDuo、Pinotの月例ライブがありました。仕切り屋はきよGです。賑やかライブの様子が写真とビデオで送られてきました。久米さんのメールに、 「セッションタイムに清田さんと美魔女シンガーとの共演(饗宴)となりました」 とあります。
この組み合わせが、ジャズ・スタンダードにおけるパートナー・ソングの代表的なものです。清Gは昔から、これがやりたくて、誰かがこの歌を歌い出すと、1st.コーラスを歌い終わるころにしゃしゃり出て行って、2nd.コーラスにもう一方のパートナー・ソングで自分が歌い、最後に二人で同時に歌いコーラスにもって行きます。 普通は、”I'm Gonna Sit・・・”と”It's A Sin・・・”は男女を入れ替えて歌います。 2年前、石川県小松の医師、瀬川先生から『「嘘罪」と「手紙を書こう」とか”Pennies from”と”I can't give you”以外にパートナー・ソングがあったら教えてくれ』とのメールが来ました。 昔から、Dolly Bakerと沢田靖司の名コンビが歌って聴かせてくれたものがあります。それは、 ■ Bill Bailey Won't You Come Home(女声)+Around The World(男声)
があることを教えてあげた。夫婦で歌いたいのだった。 このビデオを聴いて、パートナー・ソングはコーラス教育のためのハーモニー感覚訓練だと思いましたか?ジャズでは、童謡や唱歌の場合とは全く違い、洒落た味を醸し出す高等歌唱法なんだと言いたいのです。ジャズ特有の掛け合いパフォーマンスなのです。 ドリーは2014年に92歳で、沢チンは2017年に77歳で亡くなり、ライブで聴くことは出来ません。この2人のパートナー・ソングはJazz Fakeの極致を行くものだったのです。 OZSONSが元気に歌っている頃、スリー・グレイセスまたは鈴木史子、さらに中尾ミエとも掛け合った”Until I Met You”+”Satin Doll”、もう一つ、Goodiesとの”How High The Moon”+”Ornithology”というレパートリーがありました。今、考えると、オジサンたち進んだことをやっていたものだ。OZSONSも創設者のまこGが天国に逝き幕を閉じて、早や丸3年が過ぎました。何とも寂しい話です。 1960年、ダニー・ケイの映画「5つの銅貨」を思い出してください。あの映画の中で”Lullaby In Ragtime”+”Good Night”+”Five Pennies”の3曲を同時に歌ったシーンがありました。ダニー・ケイの奥さんSylvia Fineの作詞作曲によるパートナー・ソングだったのだ。 (2020/8/10) |
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