歌をつくる人にまつわる話
The Story of Songwriters

(56) Nat Adderley Sermonette


Nat Adderley(1931-2000)

サックス奏者ジュリアン’キャノンボール’アダレイは実兄。51年、ライオネル・ハンプトンのバンドでデビュー、56年に兄とクインテットを結成するが資金難で解散し、兄はマイルス・デイビスのバンドに加わり、弟はウディ・ハーマン楽団などで活動した。

1959年にキャノンボールが独立すると、同バンドに加わり兄を長年サポートし、一緒に来日もしている。

1960年の”Work Song”は囚人の労働を歌った彼の代表作であるが、56年に”Sermonette”という奇妙なタイトルの曲を書いている。

それにJon Hendricksが歌詞をつけて、59年発売のLambert, Hendricks & Ross2枚目のLPの中で歌っている。私はこれにすっかり参ってしまった。これぞ真のジャズコーラスというものだと思った。18歳のときであった。

”Work Song”と”Sermonette”とはよく似た曲想で同一人物の書いた曲だと誰でもうなづく。

Lambert, Hendricks & Rossのファンキーなコーラスを聴いてみるがよい。日本盤CDのライナーノーツに何とキャノンボール・アダレイの作曲と書いてある。私はそれを真に受けて、「歌の戸籍」のページで「Jurian Adderleyの作曲」と紹介していた。この稿を書くのに改めて調べてみてNat Adderleyの作曲であることを確認した。

皆さん、ライナーノーツにはいい加減なことが書かれているものをいくつも発見している。勘違いや間違いがあるので鵜呑みをしないようにしないといけない。でも、普通の人は大概信じてしまう。(2012/5/29)


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