Amazing
Grace その生まれと育ち |
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奴隷時代に聖書を題材に書かれた宗教色の強い歌が黒人霊歌(Negro
Spirituals)と呼ばれる。その頃は、奴隷たちが夜遅く隠れて救いを求めて歌っていたものだ。”Go Down Moses”、”Nobody
Knows The Trouble I've Seen”、”Joshua Fit The Battle Of Jericho”、”Deep
River”、”Swing Low, Sweet Chariot”、”Set Down Servant”といった名曲はなつかしい。Paul
Robesonというバスが超低音でDeep Riverを歌うのを聞いて痺れたものだし、Golden
Gate Quartetはよく日本にやってきた。その歯切れのよいリズムとハーモニーは今も受け継がれている。 |
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Thomas Dorsey (1899-1993) |
ゴスペル、Gospelという言葉は「福音」を意味するが、「ゴスペル・ソング(福音歌)」という言葉が生まれたのは1920年から1930年にかけてトーマス・ドーシーというブルースの作曲家によるものである。 彼はブルースから教会音楽へと転進し、シカゴの教会でクワイヤを始めた。そこで、トーマス・ドーシーは「ゴスペルの父」と呼ばれる。ゴスペル・ソングの源流はもともとメソジスト派の賛美歌である。”Amazing Grace”もそういう過程を経てわれわれの耳に届いている。 |
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”Amazing Grace”がアメリカに渡ってきて最初のレコーディングはマヘリア・ジャクソンというゴスペル・シンガーだった。1947年である。それで、アメリカ全土に広まったのだ。マヘリア・ジャクソンは「ゴスペルの女王」と呼ばれる。 マヘリア・ジャクソンのゴスペル・バージョンを聞いてみましょう。
もう1つ聴いていただきたい人がいます。わかGの一回り下のDiane Schuur(1953- )という盲目のジャズ歌手です。3オクターブを歌うことでも有名です。ここでも加線上のDまで歌います。古いジャズファンにとっては、まだ小娘くらいにしか思っていなかったのですが、あと2年で古希になります。
しかし、優しい”Amazing Grace”は、アイルランドのCeltic Womanという女声コーラスです。You Tubeでも2000万人を超す人がアクセスしているんですよ。ご存知でしたか?この歌が生まれ故郷に帰ったのです。
だから、”Amazing Grace”は、生まれ故郷はイギリスではあるが、アメリカの黒人がゴスペル・ソングとしてここまで育ててきた歌だということ。アメリカから発信されて世界中に広まった”Amazing Grace”はクラシック系からジャズ歌手まですべてのジャンルの歌手がカバーしている。 原詞には6番まで歌詞が書かれているが、全部を歌っているレコードには出会ったことがない。2,3番までが歌われるようだ。Diane Shuurは1番しか歌っていない。1,2,3番を歌うのはCeltic Womanだけだった。
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