盛夏の一枚 2014 法政大学(市ヶ谷,東京) |
法政大学はフランスの法学者ボアソナードを迎え1880年に創立された東京法学社が前身である。法学部は日本最古の法学部である。 この建物はボアソナード・タワーと呼ばれれ、2000年4月に竣工した。大学における高層ビルとしては最初のものである。市ヶ谷の外堀から見るこの景色は法政大学のシンボリックなアングルである。 土手の下を走る中央線快速電車は法政大学のオレンジカラーであり、この電車を絵の中に取り込まないと法政大学の絵にはならない。 1969年4月から2011年3月まで、丸42年間法政大学の一教員として教鞭をとってきたが、われわれ理系の学部は都心から西に外れた小金井市のキャンパスにあった。田舎者たちはここを本校と呼んだ。 全学の委員会や特別の行事があるときには、本校に呼び出されたものだ。 この夏、出身校である慶應の三田の旧図書館の絵を描くことになった。そこで、法政大学の絵も描かない訳にはいかない。描かなかったら教え子たちに叱られてしまう。彼らも、実はここに通った学生ではない。複雑な思いで見ることになるだろう。 皮肉なことに、私自身が学生のときに通った校舎は武蔵小金井であり、三田ではない。不思議な因縁だ。学生時代も教員時代も本校には行かず、分校通いだったのだ。というわけで、学生時代からこの電車に乗り小金井に通算50年、半世紀通ったのだ。(2014/7/25) |
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原画(B5版) Pentel筆文字サインペン |