歌と歌手にまつわる話

(85) ナンシー・ハーロウ来日 Desperado

Nancy Harrow(1930- )

Nancy Harrowという歌手をご存知ですか。私は初めて知り、初めて聴きました。60年代からスタンダードを唄ってきたベテラン歌手だったのです。アルバムも10枚ばかり出ています。

そのナンシーがご主人と連れだって2006年11月に観光に来日しました。原宿Music Roots 77で1回だけのライブが彼女をよく知るファンにより特別企画されました。

私のところには、ライブの設営をしたボロンテールの坂之上さんからお知らせが来ました。その前には、志保沢さんから「是非とも聴いて来い」とメールが来ていました。

ナンシーを連れてきたのは、ナンシーとは古くから知り合いの評論家の高田敬三さんです。高田さんはナンシーの紹介記事をレコード・コレクターズ誌に20年以上も前に書かれていました。


高田敬三(1939- )

お歳は70代後半とのことですが可愛いおばあちゃんでした。20曲ばかりを唄ってくれました。「歌はこうやって優しくスイングして唄うもの」というお手本でした。聴いていて心地よくなりました。ブルースもよかったですよ。軽く唄っているのですが、芯が通っているので鼻歌ではないのです。

温かみがあり、説得力のある歌をたくさん聴きました。そして納得しました。聴きながら何度うなづいたことでしょう。「ムー、なるほどね」・・・

その中で、毛色の変わった曲がありました。イーグルスの"DESPERADO"を唄ったのです。こういう唄い方も出来るのだというナンシー仕込みの歌でした。ロックの歌がジャズ・バラードになってしまいました。

今日のバックは、本田富士旺(pf)、ジャンボ小野(bs)、岩見淳三(gt)のトリオでした。(2006.11)

Videoは当日のものではありません。CDから録りました。


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