ジャズと歴史にまつわる話

ブルースとブルーノート 
in English

William Christopher Handy(1873-1958)
ジャズと呼ばれる音楽が生まれる前、黎明期にその素地となる音楽がいくつかあります。

"Blues"(本当はブルーズと濁る)もそのひとつです。ブルースの起源は定かではありません。しかし、スピリチャルが神や聖書を題材にしたのが、人間の邪悪な生活を題材にする、というように天から地に降りてきてブルースになったといいます。

1909年「ブルースの父」W.C.ハンディが書き留めた"Memphis Blues"がブルースの最初の楽譜です。1914年に彼は"St. Louis Blues"を書きました。

12小節という形式、3音と7音が下がり気味に暗い旋律をとるのが特徴ですが、これを"Blue Note"といいます。

「Blue Note」という名のジャズ・クラブがニューヨーク・東京・大阪・福岡などにあります。バンクーバーでも偽物のBlue Noteという店を見つけました。

現在の楽譜にはフラット記号で半音下がるように書かれていますが、ハンディの時代にはブルーノートの記号があったといいます。アフリカの音階は5音階ですから黒人たちにはヨーロッパの7音階には耳慣れない音があるわけです。そこで、このようなブルース独特のメロディが生まれたのです。

初期のブルースで面白いのは、C長調の曲で伴奏がE音に対してE♭音を、B音に対してB♭音で唄うのです。これを完全なブルースの演奏法といっています。

同じようなことが、邦楽の世界でもあることに気がつきました。日本にもブルーノートは存在したわけです。マイナーではないのですがマイナーっぽいんですね。(1998/10)


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