ジャズと歴史にまつわる話

マイルス・デイビスに雇われた唯一の白人

Bill Evans(1929-1980)

マイルス・デイビスに雇われた唯一の白人とは、ピアノのビル・エバンスBill Evans(1929-1980)のことです。1958年にエバンスのピアノの師匠がマイルスに紹介したのです。

たった8ヶ月弱のコラボレーションでしたが、マイルスのインプロビゼーションに大きな影響を与えることになりました。

辞めた原因は、黒人の他のメンバーから逆差別を受けたと言うのが真相のようです。或いは、あまりにも繊細なエバンスのピアノをひ弱に思ったのかもしれません。

その後に、独自のトリオを結成します。

ビル・エバンス・トリオ、左からScott LaFaro(bs),Bill Evans(pf),Paul Motian(dr)のベーシストLaFaroはエバンスにとって最高のパートナーでした。

自分が次にやろうとする事を、ラファロはすべて読んでいたいたといいます。エバンスはこの事に「驚くべき奴だ」と言っています。


Bill Evans Trio, 1961

この時代のレコーディングは名盤として知られています。聴いてみてください。

Waltz for Debby, Sunday at the Village Vanguardの2枚はジャズ史に残る名盤と言われています。

そんなビル・エバンスも麻薬にどっぷりと浸かる生活でしたが、離婚したばかりの前妻が地下鉄に飛び込み自殺、それに留まらず、実兄がピストルで頭を撃ちぬくという事件もあり、ますます麻薬に溺れて身も心もぼろぼろになっていったということです。もったいない話です。

クラブで演奏中に倒れ、そのまま51歳という若さで息を引き取りました。(1998/10)


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