歌と歌手にまつわる話

(114) アル・ジョルスン Swanee


Al Jolson(1886-1950)

Al Jolsonの話は、第6楽章「ジャズにまつわる雑学」の「歌詞と英文法」のページで取り上げられています。Al Jolsonの名前はご存知の方は限られた方ではないかと思いますが、今年、4月に予定されている新子和江の第16回コンサートのテーマが「アル・ジョルスン」という知らせが来ました。前回はジョー・スタッフォードでした。

ところが勉強家のおすたさんは、ジョー・スタッフォードがDarlene Edwardsという「変名」を使ってレコーディングした奇妙なレコードがあるのですが、そんな話題を紹介しました。

今回も、今では忘れ去られた20世紀初頭の大ジャズ歌手の紹介をどのようにしてくれるのかが今から楽しみです。

”Swanee”を歌い若きガーシュインの名前を轟かせたのがアル・ジョルスンです。現在のリトアニアである旧ロシア生まれのユダヤ人です。1890年代の初期に父親に連れられてアメリカに移民してきました。

 

1927年、初のトーキー映画「The Jazz Singer」で黒塗りの顔で黒人シンガーを演じました。”Blue Skies”や”Mammy”を歌っています。その中でのセリフ、

”You ain't heard nothin' yet”

がいろいろなところで話題になります。本HPでは「英文法」の切り口から論じています。⇒歌詞と英文法

当時、はやったミンストレル・ショーでは、白人が黒塗りの顔で黒人を模して芝居をしたり歌を歌ったりしたものですが、当時は問題とならなかった「黒塗り」が、後になって人種差別の対象ともされて、表舞台から忘れ去られたともいわれています。

日本ではシャネルズというグループが80年代に”Run Away”で大ヒットしたのが記憶に新しいです。その後、ラッツ&スターと改名して”め組の人”がヒットしました。日本では黒塗りしても人気があったようです。

あの連中は黒塗りなんかしなくても、十分に黒っぽかったです。(2010/3/5)


The Jazz Singer, 1927