ジャズと小噺

(16) ジャズとコマーシャル SammyとSuntory
 English Version

サントリーのコマーシャルEP盤

古い話です。Sammy Davis Jr.が演じたサントリー・ホワイトのコマーシャルが1973年ころにいろいろなメディアに流されました。

今は2007年の7月です。私の大学から大学院時代の同じ研究室の先輩である山本慎一さんが、私がサミーの大ファンであることを知り、ネットでオークションに出たこのサミーのEPレコードを内緒で買っておいてくれたのです。

テレビのコマーシャルで「チコン、チコン」とグラスを指輪で鳴らすのは当時よく見たものです。

しかし、このような非売品のレコードが制作されていたことなど知るよしもありません。

それが30年以上も経ってから私のところにやって来たのです。不思議でたまりませんね。

それにしてもオークションでこのようなレコードが出てくることなどきわめて珍しいことです。それを山本先輩は発見し、私に渡そうと買って置いてくれたのです。その気持ちが嬉しくて涙が出そうです。

このレコードには4曲が吹き込まれています。A面には”Chi-ki Chi-ki Sammy”というサミーのコマーシャル・スキャットとヒット曲”The Candy Man”です。B面には”Get With It”というコマーシャル・ソングと”John Shaft”という70年代のレコードに入っているお得意の歌です。

サントリーのコマソンを珍しいのでお聞かせしましょう。

”Chi-ki Chi-ki Sammy”   

”Get With It”

サントリーという会社は粋な会社だったのですね。今の時代にこんなコマーシャルなんて見たことありませんし、見せてももらえそうにありません。

そうそう、柳原良平のアンクル・トリスなんていうのは、50年代から60年代のコマーシャルでした。いい時代でした。


Sammy Davis Jr.(1925-1990)

このサミーの額は、またまた凄いでしょ?全国のサントリー・バーに装飾額として飾られたものと思います。国産初の高振動トランジスタムーブメント時計までついている高級品です。今、動いています。

山本先輩はこのポスターを横浜の行きつけのお店でひそかに見つけて、この度、何とか画策をめぐらして手に入れてくれたのです。

困難の末についに手に入れたという裏話がいろいろとあります。

オージーサンズの連中は皆このポスターを知っていました。どういうわけか私だけがこの有名なポスターを定かに覚えていないのです。

おそらくこの頃は大学の教員になって間もない頃で、一所懸命勉強していたのでしょうかねぇ。うそだろー!

この歳になってサミーのお宝が山本先輩の計らいで、天から私のところに降ってきたようなものです。

「天から・・・」と言いましたが、そういうサミー事件が何度もあったのです。レコードが私を呼んだのです。「買ってくれー!」

サントリー・ホワイトはそもそもサントリーが初めて世に出した国産のウイスキー「サントリー白札」に始まる歴史的なウイスキーなのです。1929年、アメリカでは大恐慌が始まる年です。

しかし、黒人アーティストのサミーに「ホワイト」の広告をさせようと考えたサントリーという会社は大胆というか物凄いですね。サミーは上記のコマーシャル・ソングの中で、「サントリー」とは言いますが、「ホワイト」とは言いません。

この辺が落とし処だったのでしょうが、なかなか微妙なものがあります。

今、30何年も昔のコマーシャルが蘇りました。いやー、たまげました。(2007/7/6)

 

サミーのお宝を手に入れてくれたのは、前列一番左にいる慎ちゃんです。お隣は、やはり私の先輩、林大雅さんです。大雅さんは卒業論文で学生時代にコンピュータで作曲(6楽章)をしました。日本で最初の試みです。

そのお隣は、この写真を撮ってくれた野崎さんの奥様です。

2007/1/12、神楽坂の「もりのいえ」での1コマです。


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