パリ市庁舎 |
ヨーロッパで国際学会が開かれるときには、決まってパリに寄って帰国する癖がついていました。フランス語は話せないのに居心地のいい街ですし、見るべきものも多いところです。 ルーブルだけとっても何回行っても全部を見尽くすことは出来ませんから、行く度に足を運ぶようにしてきました。年表を眺めたら、最後にパリに立ち寄ったのは1993年です。随分長いことご無沙汰してしまいました。昔は旅行者である日本人がパリの地下鉄に乗っても安全でした。たまにスリがいるくらいでした。90年代終わりの頃から、旧オペラ座の辺りは危険なジプシーで一杯、地下鉄は乗るものじゃないと聞かされました。私は地下鉄よりも路面を走る市バスのほうが何処にいるか分かりやすいので好きです。 初めてパリの市庁舎を見たときはたまげました。ここにも「すごい美術館が」と思ったら、パリ市役所だというので呆れかえったものです。 ところで、フランスにジャズがもたらされたのは古く1920年代です。フランス製の歌が英語の詞をつけられてジャズ・スタンダードになった歌が沢山あります。「枯葉」は誰もがご存知、”The Good Life”もシャンソンからです。ミッシェル・ルグランの曲は皆スタンダード。しかし、パリに行けば、本場のシャンソンを聴きに行くことにしています。それも鄙びたシャンソニエの日本ではあまり知られていないクラブ歌手のシャンソンは風土、飲み物に相まっていいものです。 いつもの通り「年頭の一枚」です。 |
2012.1.1 |
若山 邦紘 |