年頭の一枚 2012 パリ市庁舎
(フランス) |
ヨーロッパで国際学会が開かれるときには、決まってパリに寄って帰国する癖がついていました。フランス語は話せないのに居心地のいい街ですし、見るべきものも多いところです。 ノートルダム寺院から北へ橋を渡ると「パリ市庁舎」があります。 初めてパリの市庁舎を見たときはたまげました。ここにも「すごい美術館が」と思ったら、パリ市役所だというので呆れかえったものです。 ルーブルだけとっても何回行っても全部を見尽くすことは出来ませんから、行く度に足を運ぶようにしてきました。年表を眺めたら、最後にパリに立ち寄ったのは1993年です。随分長いことご無沙汰してしまいました。昔は旅行者である日本人がパリの地下鉄に乗っても安全でした。たまにスリがいるくらいでした。90年代終わりの頃から、旧オペラハウスの辺りは危険なジプシーで一杯、地下鉄は乗るものじゃないと聞かされました。私は地下鉄よりも路面を走る市バスのほうが何処にいるか分かりやすいので好きです。 ところで、フランスにジャズがもたらされたのは古く1920年代です。フランス製の歌が英語の詞をつけられてスタンダードになった歌が沢山あります。しかし、パリに行けば、本場のシャンソンを聴きに行くのがお勧めです。それも鄙びたシャンソニエの日本ではあまり知られていないクラブ歌手のシャンソンは風土、飲み物に相まっていいものです。 市庁舎とは反対に、ノートルダムから南へ橋を渡るとカルチェラタンに通じます。橋を渡ってすぐ左に教会に通ずる道を入ると、赤いドアのシャンソニエがありました。中世の地下牢をライブハウスにしたものです。昔々、ここで歌っていたお婆ちゃんたちはどうしているでしょうか。 原画(A4版) Pentel 筆文字サインペン |