爵士楽堂主人の録音室

I'll Never Smile Again
Rylics and Music: Ruth Lowe
1939
 


Ruth Lowe (1915-1981)

1940年、Tommy Dorsey楽団でFrank SinatraとPied Pipersが唄ってヒットした曲です。この歌はシナトラのキャリアの第一歩だったのです。

その一年前、カナダのトロント生まれの若きソングライター、Ruth Loweが結婚1年で自分の夫を突然失って途方にくれて、彼女の妹に”I’ll never smile again”と語りました。そして、その夜、一夜でこの歌を書き上げたものです。このときRuth Loweは24歳だったのです。

ゴードン・ジェンキンスの書いた”Goodbye”は世界一悲しい歌だと書きましたが、この歌は世界二の悲しみの歌です。


Sinatra and The Pide Pipers

初期のオージーサンズの数少ないレパートリーの中でも好んで唄った歌ですが、銀座のSwing Cityに世良 譲トリオと鈴木史子のライブを聴きに行ったとき、

「おやおや、みなさんお揃いで。あれを唄いなさいよ」

と唄わされたことがあります。ぼくらが歌っているのを世良さんは知っているのです。その上、世良さん自身も大好きな歌なのです。素人に歌わせるような店ではないのですが。お客さんは面白がってしまい、何曲かアンコールをされてしまったことがあります。

ある時は、ドリー・ベーカーが聴いて興奮して曰く「私がJo StaffordをやるからPied Pipersをやろう」と。 ドリーのライブで一度だけバックコーラスをつけたことがあります。

 

https://youtu.be/CDs_2yjpaIs

オージーサンズのVideoが残っていました。悲しくて懐かしい歌を歌います。2007年、B fratで開催された「もりのいえ35周年記念コンサート」でのビデオです。

バックは、大原江里子(pf)、遠山晃司(bs)、八木秀樹(dr)でした。

(2022/6/22)