歌にまつわる話

カナダのジャズを聴かせましょうCanadian Sunset 


Salena Jones(1944- )

カナダといえばオスカー・ピーターソンを思い浮かべるわけですが、カナダの人が来たので、喜ぶだろうと思ってこの曲を唄ったところ何も反応しない。当たり前です、カナダの情景をアメリカ人が断り無しに歌っただけなのです。日本には「カナダからの手紙」なんて歌がありました。

サリナ・ジョーンズはアメリカから英国ロンドンに移住し活躍していましたが、90年代半ばから精力的にスタンダードを100曲吹きこんでいます。この曲もそれらのCDの中のものですが、すばらしいタッチで歌います。昔のイメージとすっかり変わりました。自らが

「今、自信を持って自分の歌が唄えるようになった」

というだけのことはあります。


サリナはジャンルを超えていろいろな唄い方をしてきました。それがなかったら現在の自分はないといっています。確かに以前のサリナはアメリカで超一流とはいわれなかったかもしれません。いや、そんなことよりアメリカでは人に語れない厭なことがあったということです。サリナはドリー・べーカーと極めて親しいのですが、「決してアメリカには戻らない」と言っているそうです。アメリカの60年代は人種偏見や社会不安が表面化した時代なのですが、サリナはその頃、イギリスに移住しています。もう、30年以上もロンドンに住みイギリスやヨーロッパの生活をエンジョイしているといっています。
 

そういう訳で、これらの新しいCDはロンドンで録音され、日本で発売されました。1枚3,000円程度ですが、アメリカでは輸入盤となり、何と43$前後で売っています。サリナのCDに関しては価格の逆転現象が起きていて面白いですね。

そのサリナから突然 e-mail が来ました。おどろきましたねえ。わたしの日本語の Web Site をイギリスで苦労しては見ていたのです。


Hi, 

This is Salena Jones and I've just been delighted to come across your site and so pleased that you like my record "Canadian Sunset".

You might like to see my own web-site on
http://www.salenajones.com/(サリナのホームページ)

When I next come to Japan I'll let you know.

Take care.

Salena Jones

その後、彼女とは e-mail フレンドになってしまいました。今年99年も暮れには来日するといっています。

インターネット、是亦不楽哉。