慶大監督に元巨人&中日で活躍 OBの江藤省三氏

9月10日、スポニチの江藤監督就任記事です


 東京六大学で31度の優勝を誇る慶大の新監督として、巨人、中日で活躍した慶大OBの江藤省三氏(67)が今秋リーグ戦後にも就任することが9日、分かった。相場勤監督(45)は退任する。プロ経験者の監督は、1888年創部と東京六大学最古の歴史を持つ慶大史上初。05年に日本学生野球協会の制度改革でプロ経験者の大学監督就任が認められて以降、同リーグでも初となる。

 江藤氏は中京商(現中京大中京)から慶大に進み、内野手として4年間で3度のリーグ優勝を経験した。巨人、中日では守備固めや代打でいぶし銀の働きをし、76年引退後は巨人、ロッテ、横浜でコーチを歴任。巨人では守備コーチなどで慶大の先輩・藤田監督の2度の政権を支えた。

 野球部OB会「三田倶楽部」からも豊富な経験を買われて技術委員長に迎えられ、評論家時代には現役選手を指導してきた。相場監督が今秋で4年の任期を終えるため三田倶楽部が人選を進めた結果、指導力に定評のある江藤氏が後任監督に最適となったようだ。

 プロ経験者の監督就任は日本学生野球協会の適性審査が必要だが、江藤氏はコーチを務めた横浜を03年オフに退団。日本学生野球憲章が定める「プロ野球団退団後2年以上を経過した者」という条件をクリアし、現在はクラブチーム「横浜ベイブルース」のGM兼監督として球界の発展に尽力している。適性評価を受けるのは確実で、順調にいけば大学側の承認を得て今秋リーグ戦終了後にも新監督が誕生する。04年の秋以来、天皇賜杯から遠ざかる慶大。相場監督で有終の美を飾り、江藤新監督の下で黄金時代を築いていく。

 ◆江藤 省三(えとう・しょうぞう)1942年(昭17)4月29日、熊本生まれの67歳。内野手として中京商、慶大と主将を務めて65年ドラフト3位で巨人入団。69年、中日に移籍して76年現役引退。通算11年で464試合、打率・267、65打点、12本塁打。巨人、ロッテ、横浜などでコーチを務め、野球解説者などを経て現在はクラブチーム「横浜ベイブルース」の監督を務める。兄は元中日、ロッテの故江藤慎一氏。1メートル72、70キロ。右投げ右打ち。

[ 2009年09月10日 ]