歌をつくる人にまつわる話 Story of Songwriters |
(67) Herman Hupfeld As Time Goes By | |
”As Time Goes By”の話がどこにも書かれていない。自分でも重要なレパートリーの1曲にもかかわらずである。遅ればせながら書き残しておこう。 |
|
|
作詞・作曲はHerman Hupfeldだが、多くの人は彼の名前を知らない。1931年のブロードウェイ・ミュージカル「Everybody's Welcome」のために書いた主題歌である。 当時、そこそこのヒットはしたらしいが、多くの人に知られるようになったのは、この曲が1942年の映画「カサブランカ」で効果的に使われたためである。映画の中ではSam役のDooley Wilsonが弾き語りをしている。ハンフリー・ボガード、イングリッド・バーグマンの主演だった。 |
終戦後の1946年に日本でも封切りされたが、私は5歳児。見ているはずがない。60年代になってテレビで放送されたのを見たのかもしれない。
この映画の中でもう1曲、1924年のスタンダードが使われている。”It Had To Be You”である。ご承知のように、Gus KahnとIsham Jonesの曲だ。 ”As Time Goes By”と”It Had To Be You”を組み合わせて歌う人を見たことがない。「カサブランカから2曲歌います」とやったら、おしゃれだと思いませんか? 実はDolly Bakerがよく歌ってくれた歌でした。今、思うと続けて歌っていた時もあります。As Time Goes Byはピアノの脇で、伴奏なしで歌ってくれたこともありました。Dollyも好きな歌だったのです。Dollyバージョンの両曲が私の脳みそに染み込んでいます。 邦題「時の過ぎゆくままに」というのは誤訳として有名です。「時が過ぎても」が正しい訳です。 (2015/9/18) |