歌をつくる人にまつわる話
Story of Songwriters

(67) Herman Hupfeld  As Time Goes By


Herman Hupfeld(1894-1951)

”As Time Goes By”の話がどこにも書かれていない。自分でも重要なレパートリーの1曲にもかかわらずである。遅ればせながら書き残しておこう。

作詞・作曲はHerman Hupfeldだが、多くの人は彼の名前を知らない。

1931年のブロードウェイ・ミュージカル「Everybody's Welcome」のために書いた主題歌である。

当時、そこそこのヒットはしたらしいが、多くの人に知られるようになったのは、この曲が1942年の映画「カサブランカ」で効果的に使われたためである。映画の中ではSam役のDooley Wilsonが弾き語りをしている。ハンフリー・ボガード、イングリッド・バーグマンの主演だった。

終戦後の1946年に日本でも封切りされたが、私は5歳児。見ているはずがない。60年代になってテレビで放送されたのを見たのかもしれない。

 

この映画の中でもう1曲、1924年のスタンダードが使われている。”It Had To Be You”である。ご承知のように、Gus KahnとIsham Jonesの曲だ。

”As Time Goes By”と”It Had To Be You”を組み合わせて歌う人を見たことがない。「カサブランカから2曲歌います」とやったら、おしゃれだと思いませんか?

実はDolly Bakerがよく歌ってくれた歌でした。今、思うと続けて歌っていた時もあります。As Time Goes Byはピアノの脇で、伴奏なしで歌ってくれたこともありました。Dollyも好きな歌だったのです。Dollyバージョンの両曲が私の脳みそに染み込んでいます。

邦題「時の過ぎゆくままに」というのは誤訳として有名です。「時が過ぎても」が正しい訳です。(2015/9/18)


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