歌と歌手にまつわる話
Story of Songs and Singers

(231) 訳詩 CHARADE

昨晩、京子さんから「今度、K先生の発表会で”Charade”を歌うことになった」と。言葉の意味が分からないところがあるとのお尋ねメールだ。

ヘンリー・マンシーニとジョニー・マーサーの黄金コンビが3年続けてオスカーを取るかどうかが話題になったが、”Moon River”、”酒バラ”に続くことはなかった。しかし、マーサーの評価は前作よりもいのです。その積りで3曲のメロディーと歌詞を見てごらんなさい。前作の2曲はシンプルだったと気が付くでしょう。”Charade”は大人っぽいのです。

70代の方は、1963年のサスペンス映画「シャレード」のオードリー・ヘップバーンとケリー・グラントは記憶にあるだろう。
 


Henry Mancini(1924-1994)


Johnny Mercer(1909-1976)

あらためて歌詞を訳そうと思って眺めると、マーサーさん相も変わらず言葉使いが一筋縄ではない。京子さんが「何です?これ?」と言うはずだ。個々の単語の謂れや語源などをフォローしないとチンプンカンプンになる。いやはや、恐ろしいオジサンだこと。

CHARADE
Words: Johnny Mercer / Music: Henry Mancini
1963

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When we played our charade
二人でシャレードを演じた時
We were like children posing
子どものようにポージングしたものだ
Playing at games, acting out names
ゲームに興じて、有名人になった積りで
Guessing the parts we played
互いの演じたものが何か思いを馳せる
 

Oh, what a hit we made
おー、私達はなんと大当たりだった!
We came on next to closing
私達は閉幕のひとつ前となった
Best on the bill, lovers until
出し物の主役、ふたりは恋人同士
Love left the masquerade
仮面舞踏会が終わるまで
 

Fate seemed to pull the strings
運命が糸を引くように感じて
I turned and you were gone
振り向くとあなたはもういなかった
While from the darkened wings
暗くなり始めた舞台の袖から
The music box played on
ミュージックボックスが鳴っていた
 

Sad little serenade
聞こえるのは悲しげなセレナーデ
Song of my hearts composing
私のこころが作曲した歌
I hear it still, I always will
それが今も聞こえている、私はいつでもやろう
Best on the bill, charade
最高の出し物、それはシャレード


Charadeは「見せかけの嘘芝居」とか「ゼスチャーゲーム」という意味がある。

マーサーさんの書いた歌詞の中で、Charade=Game=Billと解釈して訳すと分かりやすくなる。

Bill=Playbillのこと(芝居のビラ)。請求書ではありません。

演題のビラの立て看板=Billboardだが、音楽雑誌BillboardのヒットチャートからライブハウスのBillboardがお馴染みか。

久し振りにマーチャーの歌詞を訳してみたが、なんともロマンチックだねー。

(2017/9/7)


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